【鬼滅の刃】鬼が育てた子供は嘘が上手なようで。其の弐【男主】

第58話 ページ20

Aにあった日、俺は不思議な少年だなと思った。



｢皆さん、闇柱になりました。辻村Aです。 よろしくお願いします。｣



そう笑っているのを見て、何故か悲しくなったのを覚えている。
この子は自分の心に素直になれないのだな。
そう感じたのを覚えている。



別にそういう少年少女は珍しくない。
鬼殺隊に入るものは皆、大半が辛い過去がある。
柱だってそうだ。不死川も、宇髄も、きっと
冨岡だって。



でもAは違った。
辛いなんてものじゃないものを背負って、
誰にも言えず、もがいて、足掻いて……
本当によく頑張ったな。



俺が死ぬことにより、きっとAは俺が想像できないくらい苦しむだろうな。何となくわかるぞ。お見通しだ。



だからそんなAの力になれる言葉を送ろう。
これを心に刻んで、まだ足掻いてくれると言うなら、俺は嬉しい。



一つ目、
Aは良い子だ。
自分の事を過小評価し過ぎだよ。
嘘吐きだから何だ。世の中ついていい嘘もある。
Aの嘘は、周りの人、自分を救う嘘だ。
きっと今ついてる嘘も、みんなの為なのだろう。



二つ目、
鬼殺隊は永遠に不滅だ。
皆、心を燃やして日々戦っている。
思いも同じだ。それに鬼殺隊はAが思っているほど弱くないぞ。
皆がいれば、例え鬼舞辻無惨が来ても大丈夫だ。



三つ目、
鬼殺隊はAの事が大好きだ。
最初は、認めてなかった者も居るが、今では
皆、Aの事が大好きでとても心配してる。



だから、何があっても大丈夫だ。
我慢しなくていい。
思いのままに生きていいんだ。



俺はそうして欲しい。最後の願いだ。頼んだぞ。



今まで世話になったな！頑張れ！
心を燃やせ！



そして、A。









Aの今の本心は、何だ？

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