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第7話 ページ9

2人の間に凄まじい殺気が流れる。夢にでてきた鬼舞辻の殺気の方がやばかったが、累の殺気も肌がビリビリする。累は俺を睨みながらジリジリと詰め寄ってくる。



「あーあ、そんなこと言っちゃうんだね。昔は累様累様って健気で可愛かったのに。いや、無口で表情も変えたこと無かったね。でも今のAより幾分もマシだったと思うよ。」



饒舌に喋っている累に無視を決め込み、やがてお互いいつでも斬れる距離になった時、俺は剣を地面に置き手を上にあげた。そして得意になった笑みを張りつける。当然累は驚いているようで目を見開いていた。



「なーんて、嘘だよ。一応累には結構世話になったしな。斬るなんて真似、俺には到底出来ないよ。」



俺は累にジリジリと近づく。累は微動だにしないが額には冷や汗が流れているようだ。
今の俺の顔、鬼殺隊の皆に見せたら畏怖されるだろうなあ。



「今までありがとな。俺の面倒を見てくれて。おかげでここまで生きてこれたよ。」



「……言うようになったじゃないか。でもそんなのは全部嘘でしょ。隠している殺気がこっちまで伝わってきてるよ。」



累は額に青筋を立てて俺を指さした。相当怒っているな。俺は口角を上げ、笑い声を抑えながら累と更に距離を縮め抱きついた。累は余程驚いているようで動きが止まっていた。
自分より小さい累の体は冷たく、まるで死体のようだった。



「嘘じゃないよ。本当だよ。累のことお兄ちゃんだと思っていた。だから俺は累に何かあったら助けようと思ってたよ。だって、“弟”は“お兄ちゃん”を命を賭して守るのが当たり前だろ?」



「そうだ。そうだよ……。誰も僕のことを守ってくれないの。理解してくれないんだ。」



俺は累を引き離し、肩に手を置き笑顔でこう言った。



「まあ、それも昔の話だけどな。今日が累の最後になるだろうから。昔の記憶思い出せるといいな。」



累が何かを言おうとしてたが、俺はそれに聞く耳持たず他の人の救助に向かった。
さっきの俺の顔、累が怯えていたからどんな顔してたか気になるなあ。



別に累のことは昔も今も何とも思っちゃいないけどね。
あれ、どこまでが嘘でどこまでが本当だっけ。全部嘘だった気がする。それすらも嘘かもしれない。
頭がどうにかなりそうだ。



────本当に俺はいつから狂ってしまったのだろうか。




もう、それすらも分からないや。

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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