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第39話 ページ42

廊下をこれでもかと歩き、突き当たりを左に曲がる。
そこに重々しい扉がありそれを片手で開け中に入る。



開けた広い部屋には床がなく地面が剥き出しになっていて、壁と天井だけがある。
……懐かしいな。



「懐かしいだろ。嘗て私と鍛錬した場だ。」



俺が辺りを見渡していると、ふと聞き慣れた声が聞こえ右を見る。
そこには昔俺の面倒を見てくれた鬼の一人にして頂点が居た。



俺は特に鬼舞辻の言葉に返事もせず、色の無い瞳で見つめる。
すると鬼舞辻はクツクツと笑った。



「本当に随分と変わってしまったな、A。私がわざと逃した事にも気づかず……
どうだ?“仲良しごっこ”は楽しかったか?」




その鬼舞辻の言葉に俺はどうしようもない怒りが溢れる。
が、今鬼舞辻に向かったところでどうにもならない。
俺は拳をこれでもかというほど握り、鬼舞辻を睨む。



そんな俺のことを見て愉しそうに笑った。



「そんなに焦るな。せっかく我が子が帰って来たんだ。少し昔話でもしよう。」



そんな鬼舞辻を真っ直ぐ見つめる。いつ来ても此処はつまらない。
鬼舞辻は口角を上げ、ゆっくり口を開いた。



「いいかA。何故この鬼の頂点である私がお前を育てていたと思う。そして、その答えはもう知っているはずだ。」



鬼舞辻の声がゆっくりと脳に入ってくる。その口調は夢で見た俺の過去の鬼舞辻と重なり、
もうどうでも良くなって俺はゆっくりと目を瞑り深呼吸して目を開く。



……馬鹿だなあ。此処を選んだのは自分なのに。
これが夢で、もう一度目を開けたら鬼殺隊に居るんじゃないかって。
そう思ってしまう自分が余計嫌いになる。



俺は鬼舞辻に向かってゆっくりと口を開く。



「はい、分かります。それは俺が特別だからで、そう言う“運命”だからです。
そしてその理由は────」



思い出したくなかったたった一つのこと。



「俺の先祖が代々強さと引き換えに無惨様の右腕となるように契約を結んだからです。」

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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