第38話 ページ41
俺が鬼側になってから3日経った。特に“まだ”何もされてないし、ただ軟禁されている。
ご飯は三食用意されるし、豪華な部屋だってある。特に不便もなく普通に暮らしている。
今は真夜中、鳴女さんから鬼舞辻の元へ行けとの命令なので長い廊下を歩く。
今頃鬼殺隊の皆はなにをしてるのだろうか。
もう俺には関係ないのに、何故か脳裏にチラつくみんなの顔に俺はイライラする。
……くそ、どうすればいいんだ。
「やあ!Aじゃないか!久しぶり〜!」
「……童磨さん。」
そんな矢先、長い廊下でばったり会ったのは俺の事を一番面倒を見てくれた童磨さん。
童磨さんはヒラヒラと軽い調子で手を振り、俺の方に歩いてきた。
「鬼殺隊に居たんだってねえ。それも柱だとか。Aがいない間とっても寂しかったよー。
極楽教の皆は馬鹿だし、猗窩座は俺の事嫌っているし。話し相手がまた出来て嬉しいよ!」
バンバンと背中を叩かれる。鬼は力加減を知らないのか。
俺じゃなかったら背骨が何本か折れている。
無言で童磨さんの話を聞いていたら、今度は別の薄い笑みを貼り付けて言った。
「それにしても〜、よく鬼殺隊なんかに入れたねぇ。だって君は────」
童磨さんが口を開く前に俺は剣を抜き背後とる。
首に刃を向けると童磨さんは笑いながら両手を上げた。
「……それ以上言ったら、斬りますよ?」
俺は目を見開き童磨さんを睨む。
いくらお世話になったとしても、それだけは言って欲しくない。
自分が一番わかっているから。
童磨さんは少し驚いたあと、またいつもの調子に戻って
「じゃ、また今度話そーね!」
と笑顔でどこかに消えた。
童磨さんは俺に読み書き、敬語、鬼舞辻への接し方など熱心に教えてくれた。
俺が今喋れるのは童磨さんのおかげ。
俺は童磨さんが消えた所を見つめて、少しした後にまたくるりとそこに背を向け鬼舞辻の所へ向かった。
────そろそろかなあ。
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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時