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第37話 ページ40

「やあ、久しぶりだな。A。」



「ええ、無惨様もお元気そうで何よりです。」



ここは無限城。
どういう経緯かは知らないが、気づいたら此処に居たのでまあ気絶でもさせられたのだろう。
その証拠に首が少しばかり痛い。



そして目の前に鬼舞辻無惨が居る。あんなに戻りたくないと言っていたのに、自ら戻るなんて笑えてくる。



俺は鬼舞辻に貼り付けた笑みをみせ、胸元に手を当て紳士に対応してみる。
当の本人様は俺の態度にご不満のようだ。額に青筋を浮かべている。



「A……どこでそのつまらない笑顔を手に入れたんだ。お前のあの冷徹さ、忠誠さを気に入っていたというのに。」



「俺はもう昔の俺ではありません。まず、俺は貴方が大嫌いです。」



俺はわざと殺気を出して、低い声で言った。鬼舞辻も俺を睨み返し、無限城の空気がピンと張り詰めたように重くなった。鳴女さんを横目で見ると、珍しく焦っているようだった。



俺はこの状況に満足してぱっと殺気を消し、色の無い瞳で薄い笑みを浮かべた。



「嘘ですよ。別に嫌いではありません。貴方に忠誠を誓いましょう。」




鬼舞辻はそんな俺の態度を見て目を見開き、そして不気味に口角を上げた。



「……昔はあんなにくっついてきたのに、今は反抗期という訳か。」



誰もお前にくっついていってねぇよ。なんて心の中でほざきながら顔は真顔を保つ。
今の俺はきっと昔みたいに冷徹なんだろうな。



「……歓迎しよう。おかえり、A。」



そう言って鬼舞辻は俺に手を差し伸べた。あの頃は無理やり引っ張って俺の意見など聞かなかった。
今は、俺自身に選ばせている。俺が自ら選んで手を差し伸べた場合、もう完全に鬼舞辻は俺を逃がさないだろう。



もうどうでも良くなって俺は真っ黒いドロドロとした感情を無視して鬼舞辻の手を取った。



「……ただいま戻りました。鬼舞辻様。」

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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