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第30話 ページ33

「で、用件は何だ?」



「さっき遊びに来たって言ったでしょー。」



「そうか……」



話しかけられるまで待つこと15分。
無表情で口を開く義勇に、もらった饅頭を食べながらこたえる俺。
会話はそれで途切れた。でも俺は義勇のそういう所が好きだ。



変な気を使わなくていいし、義勇も口数が少ない分要点だけ伝えてくれるからこっちとしては大変楽なのだ。



静まり返った屋敷に心地良さを覚えつつ、俺は饅頭を食べ進める。美味いな。
義勇を見ると遠くを見つめて何か考えているようだった。
その無表情の奥に悲しみが宿っているのを俺は知っている。
いつもは関係ないことだと思って気にしないでいたが、今日はそういう気分にはなれなかった。



どう話しかけようか迷っていた時、ふと義勇が無表情のまま口を開いた。



「……なあ、A。」



「んー?どうしたの?」



そう言うと義勇は俺に視線を向けた後、再び遠くを見つめた。



「Aはどうして鬼殺隊に入ったんだ?」



義勇から話題をふるなんて珍しいななんて思いながらどうしてだろうと考える。
鬼舞辻に身を隠すためなんて言ったら即切腹だし、そんな勇気はない。



暫くどう答えようか考えた挙句、ふとある少年のことを思い出した。



「……俺に、鬼殺隊の存在を教えてくれた少年がいたんだ。最近はその事を忘れていたが……確か宍色の髪で口に傷があったような……確か名は────」



そ俺の言葉を聞いた瞬間義勇は目を見開き、俺の肩を物凄い力で掴んで来た。
無表情とはかけ離れた、驚いたような、泣きそうな顔。その表情に俺はどうすることも出来なくなってしまった。



「錆兎にあったのか?!」



「あ、うん……そう名乗っていたよ。」



俺がそう言うと、義勇は腕の力を抜き、無表情に戻った。でも、何処か悲しそうだ。



「すまない。取り乱した。」



「錆兎と、会った事があるのか?」



義勇は目を伏せたあと、ゆっくりと話し始めた。

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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