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第2話 ページ4

だから俺は嘘をついた。鬼に育てられたことを徹底的に隠すため性格も癖も全て偽った。



そうしてるうちにどんどん自分がわからなくなった。
鬼舞辻に教えて貰った剣術を頼りに俺は柱へ登り詰めた。闇の呼吸は俺が考えたものだ。



最初は鬼を斬ることについて多少の抵抗感があった。俺を育ててくれた良い奴もいたから。
だから十二鬼月は倒さないで、別の鬼を沢山倒した。



「おお!Aじゃねぇか。元気にしてるか?」



不意に入ってきた声にびっくりするが、声の主の方を見ると音柱の天元さんが居た。
そこで俺は一気に現実に引き戻される。
今は自分の家の道場にいたのだ。


俺は口角を上げ、目を細める。そうすれば笑っているように見えるだろう。本当は笑い方なんて知らない。面白いと思った出来事はないし、悲しいと思っても顔に出ない。



でも、俺は嘘をついた。



「俺は元気ですよ。天元さんと奥様方も元気でしょうか?」



今の俺はニコニコと笑っているただの少年だ。冷酷で冷たい目はしていない。
俺は自分にそう言い聞かせる。



「とても元気だ。今度遊びに来いよ。」



そう言って頭を撫でられる。一瞬体が硬直するが、自分を落ち着かせてニコニコと笑った。
天元さんが帰っていくのを見て一息付き、畳に寝転がる。まだ張り替えたばかりなのでいい匂いがした。



本当の俺は感情がなくて、上弦の鬼達みたいに狂ってるのだ。

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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