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第1話 ページ3

俺は物心着く前から鬼に育てられた。皆太陽を避け、人を喰うことに躊躇いがない連中だった。
俺も人の血肉を無理やり喰わされたことがあったが、3日間吐き気と腹痛に襲われたので誰も俺に喰わせなくなった。



育てる鬼は交代制で、主に十二鬼月と言われる鬼達が俺の面倒を見てくれていた。
まあ、鬼舞辻の命令なんだろうけど。



俺はそこで鬼にも色んな奴がいることを知った。皆自己主張が激しく、個性が強い。
一人一人の性格が違いすぎるのだ。



その中でも十二鬼月は特に色んな意味ですごかったと思う。
俺をちゃんと面倒見てくれるお節介の鬼から、変な壺を見せてくる鬼や、俺を放ったらかしにする鬼までいた。中でも俺の事殺そうとしてきた鬼のことは今でも鮮明に覚えている。



俺は週一回鬼舞辻の館になんの合図もなく呼び出され、護身術と人を殺す術を徹底的に叩き込まれた。特に逆らう気もしなかったし、鬼舞辻の言われるがままに色々な事をこなしていた。



当時の俺は自分の事を鬼だと思っていた。否、思い込まされていた。という方が正しいかもしれない。だから俺はみんなの中で一番落ちこぼれな鬼だと思っていた。人も喰えなければ、再生も遥かに遅い。特に気にすることは無いと言われたのでそこまで気にしたことは無いが。



そんな生活を13年間したある日、俺は太陽に興味を持った。太陽の明るさは夜闇にない魅力があった。俺光に導かれるがまま、気づけば鬼達の所から抜け出し、人の村におりていた。



なんて太陽は眩しいのだろう。少し見つめただけで目が溶けだしてしまいそうだ。
当時の俺はそんなことを呑気に考えていた。



そこで俺は一人の少年と会い、鬼達が狂っていたことがだんだんと分かってきた。そして自分が人間だということにも気づいた。



俺は下手したら自分も喰われるかもしれないと言う状況で何も知らず生きていたのかと思うと複雑な気持ちになった。



俺は次の朝、鬼達の住処から逃げ出した。鬼は太陽の下を歩けない事を知っていたので、簡単に逃げられた。俺はその少年の元へ向かった。少年は笑顔で俺と話してくれた。名前を忘れてしまった事を後悔している。



鬼に育てられたといえば、俺の居場所はないと本能的にそう思った。だからその少年が目指している鬼殺隊と言う鬼を斬る人を目指した。そうすれば鬼に育てられたなんて誰も思うまい。



俺はそう確信づいていた。

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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