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第17話 ページ20

「……彼処には戻ない。」



俺は猗窩座を睨み付け、目一杯の殺気を出した。猗窩座は一瞬怯んだが、好戦的な笑みを作り口を開いた。



「お前が此処に戻らない理由はなんだ?何故鬼殺隊に執着する。今のお前の顔は、気色悪いぞ。」



確かに。なぜ俺は鬼殺隊に執着するんだ?居場所が欲しいなら、もっと平凡な家に助けを求めればよかった。思えば、鬼と居ても、人と居ても、あまり変わらないじゃないか。どちらも居場所を守るため、感情を殺して過ごしていただけじゃないのか。



「鬼が狂っているからか?だからお前は逃げ出したのか?馬鹿言え。
だって1番狂ってるのは────









お前じゃねぇか。A。」



本当なら何もかも諦めて、ただ流れに身を任せたかった。鬼でも、人でも、どちらでもいい。
もう、どうでもいいと思ってしまったんだ。



でも、俺はどこまでも嘘に塗れた狂ったやつだった。いつだって、俺は自分の本心の逆を言ってしまう。



「でも、俺は戻らない。それが答えだ。」



何故、自分でそういったのか分からなかった。……そんなこと、当たり前か。
俺は嘘つきだから。もう身に染み込んでしまったんだ。



「そうかよ。じゃあ」



「今度は俺から質問だ。猗窩座。俺だって色々答えたんだ。お前も答えろよ。」



「上から目線……ムカつくな!」



俺は猗窩座の言葉を遮り、闇に身を任せてフラフラと立ち上がった。
やっぱり、夜は好きだ。なんとなく気分が高揚する。
俺は色の無い瞳で猗窩座を見つめ、口角を上げた。



「俺を育ててくれた理由、教えてくれよ。」

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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時

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