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37話 ページ38

「俺はA、夏目Aです。」



そう言って一礼して福沢さんの顔を伺うと驚いた顔をしていた。あ、あれですか。夏目先生に恩があるんですか。そうですか。……すごいなじいちゃん。



敢えてそこに関しては苦笑いでスルーを決め込み、本題に入ることにした。じいちゃんが困った時は夏目漱石の孫と言え、って言ってたの本当に理解したわ。



「え、えと……もうすぐ此処に────」



俺は人見知り&コミュ障を発揮させながら恐る恐る口を開くと探偵社の電話が鳴り遮られてしまった
。タイミング悪すぎて泣きそうだわ。



「乱歩さん、仕事の依頼です。」



電話を承った社員さんが乱歩に声をかける。仕事か、頑張れよ乱歩。当の本人はは唇を尖らせてちぇ、と言った後なにか閃いたように俺の腕をとった。嫌な予感がするぞ……



「そうだ!A!!僕のお手伝いに来てよ!」



「……えーっと、いいんでしょうか。福沢さん……。」



乱歩の輝かんばかりの笑顔から視線を外して福沢さんをSOSの意味で見つめた。普通に考えて探偵社の社員じゃないものが名探偵の仕事の手伝いなんておこがましい。福沢さんはなにか考えたあと、静かに口を開いた。



「……貴君が良いのならば良い。乱歩、駄目と言われたらその時は諦めろ。」



「はーい!」



社長はそう言って俺に一礼し奥の部屋に戻って行った。
乱歩は弾けるような明るい返事をし俺の顔をニコニコと見つめた。瞳の奥に宿る威圧がやばい気がするが気の所為ということにしとこう。



……何となく予感していたがまさか本当にこうなるとは。どうやら意思疎通作戦は失敗したらしい。
しょうがない、用件は一言だけだし家に帰っても暇なのでお供させて頂こう。



「嗚呼、俺は構わないが……」



「じゃあけってーい!!」



乱歩の笑顔に花が咲き、俺の手を引き探偵社を出ようと来たのて後でまた失礼します。と早口で伝え、乱歩に引っ張られるがままの状態になる。



……どうしてこうなったんだっけ?

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らずぴす(プロフ) - *ふわ*さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!!更新頑張ります! (2019年5月1日 15時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
*ふわ* - 初コメ失礼致します!主人公くんの性格その他もろもろ込みでこの作品のファンです!!更新頑張ってください!応援してます!! (2019年4月30日 20時) (レス) id: 18cb4fa1f4 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 薙(nagi)さん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです! (2019年4月28日 21時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 好きです((設定とか主人公の立ち位置が好みです!もう産まれてきてくれてありがとう!(?) (2019年4月28日 19時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年4月19日 19時

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