5 ページ6
.
『ば、爆豪くん…！』
あ、しまった、声震えた。
と思ったのも束の間で、私の声に反応した4人の男の子達。
私を見て上鳴くんの顔がギョッとしたのは気のせいだろうか。
「え、誰？この汗だくの女の人」
「バクゴーって言ってたし知り合いじゃね？」
上鳴くんの “汗だくの女の人” という言葉で先程の表情の意味を悟る。そうだった私は今汗でボロボロだ。昼休みに直した化粧もこの為に緩く巻いてきた髪の毛も、きっともうぐちゃぐちゃだ。さっき鏡で見たから分かる。
爆豪くんからすればはじめましてのはずなのにこんな姿で会ってしまったのを後悔する気持ちがほんの少し。
それよりも1年越しに生の爆豪くんに会えた嬉しさの方が圧倒的に勝っている。
「…誰だあんた」
怪訝な顔で吐き捨てるように言ったその言葉に
普通の女の子は少し傷つくのだろうか。
『一ノ瀬Aです！
爆豪くんの事が好きです！』
私は彼のその軽蔑するような瞳に、
「…は？」と丸くさせたその瞳に、
どんどん好きが加速していくだけ。
「俺は好きじゃねぇ」
『明日また会いに来ます！』
「…あ゛？」
『じゃ、また明日！さよなら！』
走って彼らを追い抜き、そのまま来た道を駆け抜けていく。
走っているからなのか爆豪くんに会えたからなのか
恐らくその両方が私の脈をこれ程までかというくらい速くさせる。
走るのは嫌いなくせに、ここまで来るのにも散々走ったくせに、むしろ足はどんどん軽くなっていく一方だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 564人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
銀さん推し！！！ - うわー！！！好き！！！そしておめでとう！！ (1月26日 14時) (
レス) @page26 id: 9d256f67e5 (このIDを非表示/違反報告)
はうすだすと - え、え、めっちゃ好きです！もう、それしか言えないです！笑 発想も凄いですし、裏設定を最後見たときもう発狂しました！最高でした！！ (2022年9月7日 12時) (レス) @page25 id: a75755533f (このIDを非表示/違反報告)
urUTtmlB9Wljz7r(プロフ) - 上鳴君をぉぉ (2022年9月3日 5時) (レス) id: ce509c1850 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 最高という言葉しか浮かばなかったです。 (2021年11月21日 12時) (レス) @page25 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 完結おめでとう！！！もうかなりキュンキュンしてました、、！！切島くんの続きも楽しみにしてるね！そして上鳴くんに一票入れときます❤️ (2021年11月18日 14時) (レス) @page25 id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏海
| 作成日時：2021年10月30日 22時
