11話 ページ12
今日はいつもよりも早めに寮を出たAは、学校への道のりの途中、見覚えのある後ろ姿を見かけた。
すぐさま駆け寄り、声を掛ける。
「爆豪くん、おはよう」
後ろを振り向きAを認識した瞬間、すぐにいつものイラついた表情を顕にしたが、いつもよりも塩らしい様子のAに少し動揺する。
昨日、Aは両手では数え切れないほどの謝罪を爆豪にした。
しかしながら、爆豪はAからかけられたどんな謝罪の言葉にも許す素振りは一向に見せなかった。
そのことを気にしてんのか、1日経てばケロッとすると思ったが、昨日よりも静かだな
なんてことを考えた爆豪は、Aの方から視線を逸らし、
「もういいわ」
そう呟いた。
Aは悪い意味に捉えたのか、酷く慌てた様子を見せた。
「え、あの、ほんとにごめんね！爆豪くん、ほんとに、お願いだから、そんなこと言わな」
「だから、もう気にしてねェっつってんだよ」
あまりにも予想外だったのか、Aは間抜けな顔でキョトンとしている。
「お前が静かにしてっと気分悪ィんだよ」
「うん、うん！うん！！！」
爆豪の言葉を理解したAはパァッと効果音が着くほどの笑顔を浮かべる。
頬を薔薇色に染め、辺り一面に響き渡る程の声量で返事をした。
「やっぱ私爆豪くん大好きだなぁっ」
上がりきった口角を隠そうともせず、爆豪の方を向きながらAは言った。
「フンッ単純だな」
どうやら笑みが溢れていたのはAだけではなかったようだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙奈(プロフ) - 面白いです！！すごく続きが気になります！！更新、頑張ってください！！ (2021年2月18日 0時) (
レス) id: 1cc0e86b53 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - ありがとうございます！！初心者なのでまだまだなところもありますが、精進してまいります！！ (2021年2月16日 0時) (レス) id: 14df981f20 (このIDを非表示/違反報告)
鄰 - とってもこの先が気になります！更新、頑張ってください！ (2021年2月15日 23時) (レス) id: 2fe03115b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アイリス | 作成日時：2021年2月14日 2時
