3*まふまふ ページ3
教室へ、入ると。
…変なざわめきと、ひとつの席に群がる人だかり。
――――――…何?
すると、私とクロに気づいたらしいクラスメイトが。
「ねえっ、まふまふくんが倒れたの!確かA、保健委員だったよね!?」
そう、言った。
それだけで、私に視線が集まる。
確かに私は保健委員だ。
まふまふくんが、それを聞いて起き上がろうとする。
いっそう刺さる視線。
私は苦笑いをして、まふまふくんのもとへ向かった。
…しかし、なんとタイムリーなのだろう。
先ほどまで危ない噂がある、と称されていた人を保健室へ連れて行くことになるとは。
「ごめ…A、さん」
『大丈夫。…歩くのつらくない?』
「ん、」
しかし、こうして見ると悪い噂がたっているなんて微塵も思わない。
綺麗な陶器のような白い肌。
それに影を落とす長いまつげ。
整った鼻梁に、薄い唇。
美少年、その言葉が一番当てはまるようなのが、彼だった。
保健室へ着く。
おきまりの挨拶を告げ、中へ入ると養護の先生がいた。
まふまふくんのことをあずけ、扉へと足を向ける。
―――――…と。
「…あり、がと」
細い声は、私の耳に届いた。
――――…あ、どうしよう嬉しい。
こくり、照れ隠しのように頷くと、私は保健室から出た。
危険だなんて只の噂じゃないか。
そんな感想を胸に抱き、教室へと歩を進める。
『すみません、遅れましたー…』
そっとあけたつもりの扉は、思いの外大きな音をたてて。
しっかりと先生に事情を説明し、視線の雨を浴びながら席に着く。
後ろの席のクロが、心配そうに話しかけてきた。
「…大丈夫だった?」
『うん、ぜーんぜん。危険なんて噂でしょ?』
「…そう、だね。そうだよね」
私がそう返すと、こくり、彼女は頷いて。
――――――――…まふまふくんは、その授業が終わる前に、早退したんだそうだ。
〜〜〜〜〜
順位、評価、コメント、ありがとうございます!
更新がんばります!(←テスト勉強しろ)
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私の前で語尾に矢印をつけないでください - 完成度高過ぎて🤦🤦 (2023年1月16日 23時) (レス) @page50 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
meal - なんだか深い小説でした 作者様のあとがきに色々と考えさせられました (2017年8月29日 19時) (レス) id: 94e05bb702 (このIDを非表示/違反報告)
みみね - カッコいい小説でした。 (2017年5月12日 20時) (レス) id: 4825a094c8 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - ナノハナさん» 久しぶりに見たらコメントが来ていたので驚きました。ありがとうございます!とっても嬉しいです! (2016年10月12日 17時) (レス) id: b6c08d2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - こんにちは、この小説を読みました。どのお話もすごく良かったです。特に狂愛のお話はあまりにも切なくて泣いてしまいました。 (2016年10月8日 13時) (レス) id: edb9894186 (このIDを非表示/違反報告)
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