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「立花、あったか?」
「んーと……あ、あった!コレコレ!」
教室に着いた私達は、各々の引き出しからレポートの紙を取ると、教室を出て、帰るべく廊下を歩いていた。
一時はどうなるかと思ったけど……いやはや、何とかなって何より。見事にフラグ回収しちゃったけど……。
「それにしても、さっきの影山の、スゴかったねー。何だっけ、風の……加護?」
私がふと思い出してそう話を切り出すと、影山はいつも通りマイペースに返す。
「あー、なんかそんな感じの奴だ」
「それって、他にも何か出来んの?」
「加護、スゲーんだぜ!走るのめっちゃ速いし、空中も飛べるんだって!」
「お前だって飛べんだろ、ボゲェ!!」
「でもお前はハネ必要ねーだろ?ハネって意外とめんどくさいんだからな!」
はて、ハネとは何ぞや?と首を傾げながらその会話を聞いていた。
その時だった。
パチンッ
と音がしたかと思うと、
フッ……
と、辺りが暗くなり、廊下の電気が消えた。
顔を上げると、廊下だけじゃなく、校舎中の教室の電気も消えているのか、辺りは真っ暗だった。
「て、停電かな?真っ暗……二人とも、いる?」
「あぁ、いるけど……いきなり、何で?」
「う、うぅ、暗い……何か、出そう……」
「ちょっ、日向そんなこと言わないでよ!」
「あ、おい日向、アレ出せ。アレ出して明るくしろ」
「アレ……?あ、分かった!」
この二人は何故何かのことを指すときにアレで済ませるんだ、そして何故通じるんだ、熟年夫婦かよ、と思ったとき。
ぼっ
突然、回りが明るくなる。光源を見ると、空中に火の玉が浮いている。
「で……出た!?人魂っ!?」
「人魂じゃなくて、俺が出した炎の玉だよ」
「は……炎、って、どうやって……」
「それより早く出口んトコ行くぞ」
「あ、う、うん!」
私達三人はその炎の玉?の明かりを頼りに出口へと走る。なんと炎の玉は健気にも私達についてくる。
「―――あっ、着いた!出口だ……!」
「俺があける!」
日向がタッタッとドアの方へ駆け寄り、重そうな扉の取っ手を掴み、押した。
……このあと、私はやっと、本当のフラグ回収がこれからだと言うことを思い知らされることになる。
「……あれ……開かないよ?」
「……はい?」
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エルナ/アネット/モニカだいすきです。 - (*^◯^*)尊(56スキカ? (4月14日 7時) (レス) @page35 id: 89991bb039 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - お返事ありがとうございます!パイセンがカギになるのか、、、ありがとうございます!クロさんも意外です。更新楽しみ&応援してます! (2016年12月12日 20時) (レス) id: 28e11fac7c (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 刀班の班長って赤葦さんですか?怒ったら何気に怖いから。こうしんたのしみにしてますこれからも頑張ってください (2016年12月10日 18時) (レス) id: 28e11fac7c (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - とっても面白いです!!今日1から読んだんですけど、すっごかったです!!あ、あかーしとか、無気力組ともっと絡んでほしいな…|ω・`)←更新頑張ってください☆ (2016年11月20日 16時) (レス) id: d59d31d546 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*雨野夕立* | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzune107
作成日時:2016年11月18日 21時