帆を張れ胸張れ意地を張れ (アホみたいに長いプロローグ) (ページ8)

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いーつのーコトーだかー思い出してごーらんページ8

食事を持って来る、と、男は又又部屋を出ていく。

その間、今に至るまで、何が起きたのかを今日の出来事を思い出して行く事にした。

出来事1:友達と2人で旅行中

出来事2:観光地へ移動する為にホテルから出る

出来事3:こちらに暴走トラック接近

出来事4:前を歩いていた友達を庇う

遺言:今日のパンツダサいヤツやん

出来事5:お空から紐無しバンジー

出来事6:イマココ

うん、わからん、でも、恐らく、

(死んだのか？でも、何でここにいる？しかもボロボロで、)

(あれ？体つきも、何か筋肉増えた？)

(日本っぽいけど、昔すぎる)

(友達は？無事？)

思い出して行くたびに、不安が募る。

友達は大丈夫か、僕のせいで罪悪感は感じていないだろうか、あわよくば、最後の遺言？になってしまったかもしれないあの言葉で笑っていてくれたら嬉しい、親は、家族は心配していないだろうか、遺影は今回の旅行中で撮れた最高の変顔が良いなぁ、仕事はどうしようか、

未だ生きていないといけないのか。

考え出したら、泣きそうになってしまった。泣いちゃダメだ、泣いたら嫌われる、ごめんね、ごめんなさい、大丈夫、大丈夫、

「うっ、うっ、」

「おい、泣いてんのか。」

「え！あっ、すみません、大丈っ」

「我慢せずに泣け！泣いてしまえ！」

え？
「記憶も無い！ボロボロ！知らないジジイの家！泣かん方が不思議じゃぁ！好きなだけ泣け！」

そう言われたのは、初めてだった

(泣いても良いんだ)

「うわぁぁぁ！！どうしよう！どうしよう！わかんないよ、何で！何で！」

泣いている間、寅さんの匂いと優しい温かさに包まれていた。