名前発表！ ページ20
いつの間に用意していたのだろう、寅さんは半紙を掲げた、そこには
A
とデカデカと筆で書いてあった。
「Aか！気に入った！ありがとう！」
「でファーストネームはどうする？」
代表の息子、悟が言うと、
「ワシと一緒で構わんか？」
「えー…」
と言って巫山戯ると。
「素直に受け取れ！」
ゴン！とげんこつがとぶが
「な！そうか、Aは能力者だったか！」
僕が能力者である事は、寅さんの弟子という話と共に広がった。
「ｻﾞﾏｧﾈｪﾅｰwwwｻﾞﾏｧ( ´ﾟ∀ﾟ｀)」
「腹立つ弟子じゃ」
島民達も良いねぇ！と名前を賞賛してくれた。
「すげ！！曲がった！」
「キモイけどすげ！」
子供が次々群がって来る。
「キモイけどキモイゆうな！」
(こんなに楽しんだのは何時ぶりかのぉ。)
(こんなに心から笑ったのは何時ぶりじゃろ？)
2人は同じ様な事を考えていた。
(僕は、笑っていいんだ、泣いていいんだ。)
ふと、昔の虐められていた事を思い出したが、今のこの楽しい時間ですぐに記憶の彼方にホームランした。
「そうじゃ、A 自警団に入らんか？」
代表がそう提案してきた。
「先程の海賊の話は聴いた、寅に弟子入りしたのなら、是非頼みたい。」
「僕は是非入れて欲しい！が寅師匠、良いか？」
「Aが決めたことなら構わん、しかし、厳しく鍛えていくからな！」
「お願いします！」
と寅師匠と代表にはち切れんばかりの笑顔を向ける。
「隠し名を決めんとなぁ」
隠し名？と寅師匠に聴けば、
「自警団は逆恨みされやすい、懲らしめた後に、闇討ちでもされたら敵わんからのぉ、この面を被り、顔を隠し、ホントの名が知られぬようお互いに隠し名で呼び合うんじゃ、因みにワシは白虎が隠し名だ。」
と先程被っていた虎の面を見せながら説明してくれる。
「隠し名は特殊な決め方がある。」
と紙の入った直径30×30程の正方形の箱2つを持った悟がこちらに向かってくる。
「ほれっ！こん中から1枚引け」
と左手に持った箱を渡してくる。
ほい！と1枚引くとそこには3と書いてあった。
「よし3だな、こっちから3枚引け」
と今度は右手の箱を差し出した。
適当に3枚掴み引く。
「あれ？白紙ぞ？」
それは真っ白だった、コレでどうやって名前が決まるんだ？と思っていると、寅師匠は
「安心せい、これから分かる。」
と楽しそうに笑っている。
同じ島民もワクワクしている。
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作者名：物体X | 作成日時：2020年4月30日 14時
