忘れていました懐中時計 ページ18
そういえば、懐中時計観てなかった。
騒動が一段落し、ワンちゃんに噛まれた傷を擦りながら家路に着くなか思い出す。
「懐中時計なんて持ってたっけ？」
上のボタンをカチリと押す。
「おっなんか入ってる、」
「何だ？どうしたお前さん、その懐中時計か、なんか入ってるな？何が書いてあんだ？」
寅さんは僕の手の中を覗き込んで来る。
「勝手に見ないでくださいよォ。」
と悪態を着きつつ、一緒に見る。
それは筆跡がバレないよう細工された手紙だった
未だ知らぬ人より
1:貴方はトリップした。
2:悪魔の実の能力者である。
3:絶対に海に入らぬ様、大量の水に触れぬよう。
4:縁は繋いだ。
5:時が来れば全て汁。
未だ何も知らぬ新しい貴方へ
おい、最後汁ってなんだよ！誤字ってるジャマイカ！
「なんだぁ？変な事しか書いてねぇなぁ、お前さんの記憶の手がかりにはなりそうもねぇ、まぁしかし、ちょいと違和感があるなぁ。」
「そうですね、引っかかっるんですよねぇ。」
「おう、何だか、初めからお前さんが記憶喪失になる事前提な様な…。」
「そうか！それだ！違和感有りますよね！誰が書いたんでしょう？」
「律儀に筆跡を直線に変えて分からなくしてやがるなぁ。」
暫く一緒に悩んでいたが、埒が明かん！と寅さんが考える事を放棄した為、手紙は一旦保留になった。
「所で、その懐中時計の蓋、裏に何か書いてないか？」
手紙をも一度仕舞おうとした時、そう言われ蓋の裏を確認する。
「あ、ほんとだ、何か掘ってある。」
「なんじゃぁ、イニシャルみたいじゃのぉー
なになに、！！」
「どうしたんですか？驚いて。」
「お前さん、この蓋の裏の文字、出来るだけ人に見せるなよ。」
いきなり真剣に言われ、びっくりし、へぇぁっ？！と声の裏返った奇妙な返事を返す。
「ははっ、そんなに奇妙な声を出しさんな、なぁに、念の為じゃよ、この意味を知るのはそういないからのぉ。」
「ゑ？寅さん知ってるんですか？」
「噂程度にな。」
「教えて下さいよォ！」
「お前さんみたいな阿呆は理解出来ん！」
「阿呆ってなんですか！どちらかといえば馬鹿の部類です！」
と割と本気で抗議すると論点が違う！とキレのいいツッコを返してくれる。うん、気ままに漫才師にでもなろうか。
(まさかのぉ、もしかしたらこやつ、とんでもないやつかもしれん、しかしまぁ、あの懐中時計、彼奴のかどうかは未だわからんしのぉ… Z.D、か、何とも運命とは、奇妙なもんじゃ！)
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作者名：物体X | 作成日時：2020年4月30日 14時
