らしく生きることに映画ver. (ページ19)

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待ち合わせページ19

結花さん達と話し終わると、

私は文恵と以前座って
話した広場までやってくる。

もう日は傾き始めていて、
辺りは心做しか暗かった。

文恵「…達也くんと、4時に待ち合わせしているの。」

A「達也くんと？」

文恵は頷くと、時計を確認した。

時刻は3時50分。
4時まであと10分。

座って待つようなので、
私も達也くんが来るまで一緒に居ることにした。

文恵は今日の最終便でニューヨークへ向かう。

達也くんには
自分から直接留学のことを伝える気なのだろう。

A「…文恵、本当に小百合達にも言わないで行くの？」

私が問うと、文恵は難しい顔で一点を見つめる。

きっと自分の中で葛藤しているのだと思う。

小百合達に行くなと言われたら、
迷ってしまい、決心が揺らぐことを、
恐れているのかもしれない。

不意に、沢山の足音が
近付いてくる音が聞こえた。

小百合「文恵！」

奥から小百合達が走ってくる。
その顔には不安な表情が浮かんでいる。

文恵「みんな…。」

沙耶「ごめん。どうしても黙ってられなくて。」

沙耶がみんなに伝えたようだ。

けれど文恵は咎めずに
笑顔で首を横に振り、車の方へと移動した。

ドアの前で此方を振り返り、
全員の顔を見渡す文恵。

文恵「みんな、見送りに来てくれてありがとう。」

小百合「アメリカ行っても、文恵は文恵で居てね。」

真奈「今まで、ありがとう。」

麗華「元気でね。」

杏「メールしてね。」

香「みんなで、遊びに行くから。」

文恵はみんなの言葉に微笑み、
最後に沙耶と目を合わせて頷いた。

時計の針は4時10分を指している。

それを確認した私を見て、文恵は苦笑した。

そしてそのまま、
車に乗って行ってしまった。

どんどん遠くなっていく車の後ろ姿を見ながら、
私達は手を振った。