らしく生きることに映画ver. (ページ14)

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江戸時代の姫と剣士ページ14

二人のコスプレを思い出しながら
フフッと小さく笑い、

他の出店を見て回っていると、

茶道部のお茶屋さんに、
新選組の格好をしてお団子を頬張る麻耶くんを見つけた。

麻耶「…美味い。」

A「こんにちは、新選組のお兄さん。美味しそうなものを食べているね。」

隣に腰を下ろせば、

麻耶くんは驚いきながらも
何も言わずにお団子を私の口元に持ってきてくれる。

有難く一口貰うと
餡子の甘みが口の中で広がった。

因みにこのあーんと言うものは
怪我の時に散々されたので、もう慣れてしまった。

麻耶「何その格好。」

A「クラスの出し物がコスプレカフェなの。麻耶くんこそどうしたの？その格好。」

麻耶「教師に追われてて、変装。」

麻耶くんの話によれば、

閉じ込められた場所には
馬鹿田の男子全員が居たらしく、

ユウキくんが麻耶くんに

「女みたい」

と言ったことで
他の男子全員も含めて喧嘩が勃発し、

その際に扉が壊れ、
部屋から出ることが出来たらしい。

けれど運悪く部屋の前に教師が居合わせて
追われることになってしまい、

麻耶くん達五人は変装して逃げていると言う。

やっぱり、
大体予想は当たっていた。

麻耶「似合ってるよ、そのコスプレ。昔のお姫様？」

A「江戸時代のお姫様をイメージしたみたい。みんなが私は和服が似合うって。」

麻耶「良いじゃん。新選組も江戸時代だろ？俺とペア。」

麻耶くんは私と自分を指差しながら言った。

確かに新選組も江戸時代の人達だ。

何と言う偶然だろう。
まるで裏で話を合わせたかのよう。

私が笑えば麻耶くんも微笑んで、
二本目のお団子を手に取った。

そして刺さっている四つのお団子を
二人で交互に分け合った。

好きな人と過ごす学校行事が
こんなにも楽しいのかと、

私は幸せな気持ちになった。

ふと近くの時計を見てみると、
沙耶達と分かれた後から結構時間が経っている。

連絡が無いけれど、
そろそろ終わっている頃だろう。

私は麻耶くんにそのことを話し、
二人でお化け屋敷の方へ戻ることにした。

すると突然、
何処からか悲鳴が聞こえてきた。