らしく生きることに映画ver. (ページ12)

今日:4 hit、昨日:12 hit、合計:37,447 hit

優先順位ページ12

小百合「お嬢さん。僕のためにお洒落してくれたのかい？」

A「え、小百合…？」

着替えて表へ出ると、
近くに居た小百合にそう声を掛けられる。

彼女は王子様のコスプレをしていた。

クオリティが高くて本物の王子様のよう。
少しだけキュンッと心が鳴った。

A「凄い。本当に王子様みたい。」

小百合「Aもすっごい似合ってる。やっぱりAは和服だなー。」

そう言いながら
パシャパシャと写真を撮る小百合。

他のみんなはお客様が多くて忙しそうで、
此方には気が付いていない。

其処で私は小百合を中央へと押し出した。

簡単に女の子が集まってきて、
小百合はターゲットとなった。

仕事が出来た小百合を置いて
私がキョロキョロと視線を動かすと、

パティシエのコスプレをした文恵が
暗い表情で壁際に寄りかかっていた。

其方へ行き、同じように寄りかかると、
彼女は私の肩に頭を乗せてきた。

A「気になるんでしょう？男子のこと。」

文恵「うん…。」

A「じゃあ行こう、文恵。」

肩に乗る文恵の頭を撫でながら言うと、
彼女は体勢を戻し、ビシッと真っ直ぐ立つ。

すると其処へ、
裏から注文品を運ぼうとする沙耶が出てきた。

文恵「沙耶。ごめん、男子の様子見てくる。」

文恵はそれだけ言うと、
私の手を引っ張ってカフェを出ていく。

沙耶「えっ、…ごめん！これちょっとお願い！」

後ろからそんな声が聞こえて振り返ると、
沙耶は注文の品を真奈に預けて私達を追ってきた。

私と文恵は沙耶にもきちんと説明をして
男子が閉じ込められているであろう場所を一緒に探すことにした。