赫い月の覇者

貴方の思いは ページ42

足、腕、急所を避けた所に弾丸は当たる。まるで、罪を償わせる為に最大限苦しませているようだった。

晋平｢あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！！！！」

晋平の叫び声が耳を劈く。Aさんはハッとした様子だ。無意識だったのか？

空｢Aちゃん、Aちゃーん、大丈夫？」

空が声をかけているが、Aさんはまだ放心状態だ。

『あ…あ………空、私、私』

空｢大丈夫、どうせ殺す奴だし」

『…そっか』

晋平｢お、おい、や、やめ」

空は腰の日本刀を抜いた。そしてそれは晋平に真っ直ぐ向けられ、体は真っ二つになった。

空｢お前はAちゃんを傷つけ悲しませた…死んで当然だね」

圧巻。その一言に尽きると思う。静かな殺気が辺りを包み込んだ。

『死体処理はこっちでするね…“蜘蛛隠”』

蜘蛛隠｢｢仰せのままに、黒薔薇様」

気配は全くしなかった。相変わらずこの組織の人間は音がない。

『蜘蛛隠、蓮主導の隠密部隊だよ。あとは任せて』

空｢それじゃあ僕ら帰るからー、バイバーイ」

龍本｢おう、ありがとな嬢ちゃん」

虎徹｢はい、ご迷惑をお掛けしました」

俺も事務所に戻り、カシラに報告。そのあと親父に報告した。

虎徹｢申し訳ありません、間に合いませんでした」

日下｢この役立たずが！このままでいられると思うなよ！」

灰皿で殴られたりしたが、相手がblood moonということもあり、親父も仕方ないと思ったのか、あまり大事には至らなかった。

この一件は、親父派の人間やどちらにも属さない奴らにも大きな影響をを与えた。

虎徹｢…どうなるのかな」

天羽組と交戦中に起こった内部の亀裂…今後どうなっていくのかはわからない。

虎徹｢…Aさんはどこまで見通してたんでしょう」

一条｢さぁな、でも人為的にやってんだろうな」

Aさん…あんたは俺たちを、天羽組を、どうしていきたいんだ。

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