赫い月の覇者

月と河内組 ページ38

龍本｢嬢ちゃん、若ぇのも助けてもらって悪いが。お前さんに質問がある。一つ、ここで何があったか。二つ…__お前さん、何もんだ？」

会ってすぐに状況を飲み込み、鋭い質問。蓮のこともあり警戒してるね。流石、中堅。
一つ目の質問に答えるのは簡単だった。京極組組長の息子が暴れたって言うだけ。

龍本｢なるほどなぁ…問題は二つ目だ。正直に答えてくれ」

圧を感じる…まぁ、舎弟の子達に何かあったら大変だしね。
でも、なんで答えよう。本名言っても知らないでしょ。うーん…あ！

『私は黒薔薇。マフィアだよ』

龍本｢！！(黒薔薇…例のマフィアか)」

どうやら通じたらしい。よかったぁー。

龍本｢…何が目的だ？嬢ちゃんの言葉が正しければ、お前さんは相当強いはずだ。マフィアのボスだろ？それなのに、そんな奴の攻撃を“わざと”喰らったのは何故だ？」

『…素晴らしい洞察力だ。そうだね。簡単に言うと、京極組を変えたい。今の組長の日下派とカシラの五十嵐さん派の対立に終止符を打つ。“私”という、日本最大級のマフィア、blood moonのボスで尚且つ立場が圧倒的に上な人を、組長の息子が殴ったという事実が欲しい。そうなれば五十嵐さんに着くものは増えるだろうからね。ただ、それだけ…そして、その為には京極組には生きてもらわなければいけない。だから龍本さんにお願いがあるの』

龍本｢なんだ？」

『京極組とは戦争をしないで欲しい。今京極組は天羽組と殺り合ってる。今河内組が入って来られると京極組が潰れちゃう。それだと殴られた意味が無くなっちゃう…__あ、日下晋平は別ね。あいつは殺す』

龍本さんは悩んでる様子。まぁ仕方ないよね、戦争をやるかやらないかを一部下が決めていいわけないし。これは後日になるかなぁ…

龍本｢分かった。その代わり、条件がある」

『えぇー！いいの？！…それで、条件って？』

龍本｢河内組と手を組んで欲しい。内容は天羽組と京極組と同じ、銀行口座を作ってくれればいい」

出た、銀行口座。何故か極道は作れないやつ。みんなこれが狙いなんだから。

『いいよ。でも、…河内組ってさ、今内部やばくない？そんな中、手を組むのはちょっと、ねぇ？』

龍本｢(なんで知ってんだよ…情報が漏れた？いや、手を組めということには即答できたってことは、端から調べられてたか)」

河内組は現在、まだ始まって無いけど組長の跡目争いでピリピリしてるって情報があった。
その結果、その件に方がついたら手を組む方針となった。

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