赫い月の覇者

月のお助け ページ36

私の名前はAA。

モブ｢お願いです！私たちを助けてください！」

『…？？』

なぜか助けを求められてるマフィアのボスだ。
先日始まった、天羽組と京極組の戦争。その影響で治安が悪くなってないかみんなで見回りしてた時のこと。雷が通りすがりの人に助けを求められた。

モブ｢お願いです！助けてください！」

雷｢…なんだあんた、俺になんか用？」

明らかに水商売の香りがする女の人は、以前私が黒焉街に偵察に来た時に助けた人だった。
どうやら私の正体と雷などの部下の話を聞きつけ、藁にもすがる思いでやってきたらしい。
断ることもできなかった雷が応接室まで連れてきた。

『えっとー…何から助けて欲しいんですか？』

モブ｢実は…凄くマナーが悪い人がいて、その人をどうにかして欲しいんです！」

雷｢マナーが悪いって…あんたら守代払ってんだろ？京極組に助けてもらえよ」

モブ｢…そのマナーが悪い人が京極組の息子なんです！だからどうしようもなくて」

えぇー？！京極組何してんの？？自分が守るもの傷つけて…意味わかんない！
話によると、店で暴れているのは京極組現組長の息子、日下晋平。京極組の威を借る七光り。クズである。

『うーん…私達も京極組と手を組んでる身だし、すぐに粛正…とかは無理かも』

モブ｢そんな…」

『でも、そんなこと長くは続かないよ。お店にはいろんな人が来るし、その中に反社がいたら…そう、全面戦争！…でも、もし京極組が潰れたら次は守ってもらう人がいなくなる、それは困るでしょ？』

モブ｢…はい」

『そこで、だぁ！もし他の組の人と喧嘩になりそうだったら私が仲裁する。その時に__日下晋平を消す』

モブ｢(ビクッ」

雷｢(おー怖)」

『そうしたらあなた達はいなくなってして欲しい人が消えて、守ってもらう人もいる…これで満足？』

モブ｢は、はい…」

女の人はちょっと怯えた様子で帰っていった。マフィアだし、これくらいして当然なんだけど。舐めてもらっちゃ困る。

雷｢…で、ボス。本当の目的は？」

『流石雷。よく気づいたね』

そう、私たちにはここまでしてあげる目的がある。

『京極組って組長の日下派と、カシラの五十嵐さん派で別れてるでしょ？どっちかに加担すると面倒だし、血は流したく無い…って思うのが普通。だからこうするの__組長の息子がマフィアのボス殴りましたー。全面戦争も辞さない構えです。こうしたら日下派の信頼度は激減！それが本当の狙い』

雷は納得した様子だった。

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