欠けた月 ページ32
雷「ボス、が、何で!そうなってんだよ!」
声が震えていた。Aさんに何が?まさか、俺たちのせいで?兄貴達も不安そうな顔をしている。
優華「雷、スピーカーをオンにして頂戴…Aちゃんが、話したいみたい」
電話の相手は優華だった。スピーカーをオンにし、俺たちに向けられたそれからは人の声がたくさん聞こえてくる。病院だろうか。やはりAさんに何かあったのか。
『ゲホッ…もしもーし?みんな元気ー?』
華太「!(明らかに空元気だ…やはり何かあったのか?)」
蓮「雷、どういうこと」
雷「あぁ、じつは…天羽組の北岡ってやつを助けようとして、京極組の一条に刺されたらしい…急所は避けたけど、重傷って優華が…」
天羽「!」
蓮「…は?」
Aさんが北岡を?!俺は驚いたがその反応は皆同じだった。そして蓮は怒りを募らせた。一条に、俺達に。
『…ちょっと、今やばくて…あははー…ゲホッゲホッ、でも、みんな私のこと、“裏切って”なんか無かったんだね。よかったぁー』
幸真「A…」
あまりにもその声は痛々しく、聞いているこっちまで辛くさせた。
『ゲホッ…時間ないし、簡潔に言うからよく、聞いて。ブラジルマフィアが北岡くんに指示されたって言いふらしてるけど、あれはもうどうにもできない…証拠がない限り。だからこうしようと思う…ゲホッ“天羽組は許可してません。あいつらが勝手に言っただけです、ケジメもつけて滅しました。証拠もあります…”ってね』
全員「!!」
ブラジルマフィアを…滅ぼす。そんなことできるのか?かなりデカい組織だったが…
『ブラジルマフィアはもう無いし…死人に口無し。何したってバレないよ』
野田「(…あの組織を滅ぼしたのか、中々に恐ろしい野田)」
『情報の規制と証拠作りは…ゲホッゲホッ!蓮、よろしくねー…』
蓮「………うん」
優華「Aちゃん、もうダメよ。傷が…」
『もう少しだけ…お願い』電話の向こうで優華とAさんが話しているのがわかった。それに容体も良くない。大丈夫なのか…?
『北岡くんは…無事、だから。心配しないで…多分、そっちにいたら京極組狙いに来ちゃうから…終わるまでこっちで匿っていーい?ゲホッゲホッ』
天羽「あぁ、もちろんだ」
『もう…時間やばいみたい。あとは、よろ、しくーゲホッゲホッ』
優華「雷、蓮すぐに戻って来て…じゃあ切るわ」
電話は切れた。俺が部屋を見回すと全員が絶望と焦りを顔に出していた。
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海藍 - 頑張ってください! (2023年5月9日 22時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 海藍さん» コメントありがとうございます!元気出ました。がんばります! (2023年5月8日 21時) (レス) id: 13b1794c99 (このIDを非表示/違反報告)
海藍 - なるべくで良いので投稿頑張ってくださいなるべくで良いので! (2023年4月30日 21時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
海藍 - 初めてとしては色々な設定が決められていて面白いです! (2023年4月30日 21時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
海藍 - こんにちは!海藍と申します! (2023年4月30日 21時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜桜_2525 | 作成日時:2023年4月6日 14時