検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:1,532 hit

聞こえる ページ9

刻宗 side



『ここは、死に際に来るところなのか...?』



思い出の欠片で埋まっていく、この空間。



''パキパキ'' 突如、俺のいる空間にヒビが入り始めた。


___それはなぜか、俺の体にも入っていた。



『なんだよ...こりゃ...』



俺の体が足から崩れ落ちていく。



''俺たちを殺したお前は、ここで死ななければならない''



俺が今まで滅殺してきた、数えられないほどの鬼と、なんの罪もない人々が、俺にそう言ってきた。



『まだ、死にたくない...約束を果たさなければッ...!!!』



きょーちゃんとの、さつまいも料理を振る舞う約束。

天くんとの、お嫁さん達がいる屋敷にお邪魔させていただく約束。

悲鳴嶼さんとの、手合わせの約束。

むいくんとの、屋敷にお邪魔させていただいて、一緒にふろふき大根を食べる約束。

伊黒くんとの、みっちゃんと上手くいくように手伝う約束。

義勇との、誤解されないようにするために対策を一緒に練る約束。

さねとの、おはぎを一緒に食べる約束。

みっちゃんとの、伊黒くんと上手くいくように手伝う約束。

___しのぶとの、大切な人を死なせない約束。



この他にも、沢山の約束をした。
死ぬ訳には行かないじゃないか。こんなに約束してしまったのに。



_______早く、起きてくださいね。待っていますから。



その声を聞いた瞬間、体の崩壊が止まった。
この空間が、真っ白な空間が、薄紫に染まり始めて、蝶が俺を囲んだ。



こんな透き通った声と言ったら、もう、______しかいないじゃんかよ。



この薄紫色の空間と美しい蝶。______にぴったりだ。



俺の、想い人。



  胡蝶しのぶ



やっぱり、俺にはしのぶしか居ないや。
しのぶは、偉大だなぁ。
こんな時まで、俺を救ってくれる。



さぁ、目覚める時が来た。



起きて一番最初に見たいのは、あの美しいしのぶの寝顔か横顔かな。



すみません、俺の掌から零れ落ちた数々の命。
鬼にされた元人間だった方々、今度は平和な世界で、幸せに生きてください。



俺が目を閉じた瞬間、数々の蝶が俺を包んだ。



しのぶのいい匂いがする。



心地いい。



さようなら、最高の空間。

嘘であれ→←再び



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶しのぶ , 男主   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:点P | 作成日時:2022年2月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。