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「あの魔人嘘つきですよ!」
「え〜?」
「自分を猫の悪魔だなんて言ってるんですよ!どう見たって猫じゃないですよ!」
「う〜んまぁ、どっちかって言うと、犬っぽ〜い」
猫の悪魔と言ったのが気に障ったようで
診察から戻ってきたコベニに詰め寄っていたけど
彼女は戸惑うばかりでずっと言葉にならない声を上げていた。
今は車の中で猫と待機している。
俺たちはあの後すぐにデンジ達が向かった病院へ車を走らせ
部屋番号を聞くとそこに荒井と向かう。
「ん〜でもやっぱ猫かな〜?」
「ひ、姫野先輩…!こいつの言う事信じるんですか?!」
「え〜…冗談言う魔人って珍しいじゃん、なんかおもしろ〜い」
荒井は姫野の姿を見つけるや否や、俺のついた嘘について言い始めるも
姫野は特に気にしていない様子で、それどころか騒ぎ立てている荒井を
面白がっているようにも見える。
姫野の近くにはパワーもいた。
手首に重たそうな拘束具をつけられている。
「まぁまぁ、魔人君が何の悪魔なのかなのは私たちの味方なら関係ないよ、でも私たち人間に危害を加えるなら何だろうが容赦はしないけど」
姫野は心が読めない笑みを浮かべる。
「うーん、私の推測だと…頭の輪っかからして天使の悪魔っぽいけど…うーん、でも輪っかがすごくいびつだなぁ…。ねえ、血の魔人ちゃんは魔人君が何の悪魔かわからないの?」
「知らんが?」
「え〜〜〜!」
「あ、あの…病院なのでお静かにお願いします…」
「すみませ〜ん」
おどおどする看護師からの指摘に、その場は静かさを取り戻し
姫野は「怒らりちった」と舌を出した。
俺の頭には輪っかがついている。
天使ではない。
天使の悪魔を俺は知ってるから。
窓の反射に映る俺の頭の上の輪っかはずっと同じ形をしていない
ぐるぐるといびつに回り続けている。
音がしない部屋に居る時はこぽこぽと音が聞こえる。
しばらく黙って廊下で待っているとゆっくりとデンジの部屋のドアが開いた。
「とりあえず敬語を覚えとけ」
「お〜それも考えといてやるよ」
中から出てきたのは早川で。
デンジの声は聞こえたもののドアが閉まり顔は見えなかった。
「な〜?無罪だったじゃろ?わかったらさっさとコレをハズせ」
パワーが「早く」と言わんばかりに腕を上げると拘束具がじゃらりと音を立てた。
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ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね!少し油断すると風邪を引きそうになりますから! (2022年12月10日 7時) (レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜!!体調不良に気をつけて下さいね! (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます!嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです!お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください!応援しています! (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい!読ませて頂きます! (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブブ | 作成日時:2022年11月14日 15時