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「二人のうちどっちかは見張ってくれないの？」
動物病院へ着くまでの車の中は緊張と恐怖が充満していた。俺としては心地がよかったが、人間の二人は精神を消耗しただろうな。
消耗しきった精神で、頭が回らなかったのか二人して動物病院へ入って行こうとするのを止めた。魔人を一人で外に置いて置くなんて後でマキマに叱られるぞ。マキマじゃなくても姫野や早川が叱るだろう。
「俺を一人にしないでよ」
「そ、それもそうだな…」
「あっ荒井君…わ、私が猫ちゃんを病院に……っ」
額に大量の汗をかくコベニが早くこの場を逃れようと、荒井の返事も聞かずに病院に駆け込む。その姿を追いかけるように手を伸ばす荒井。無常にもコベニの姿はもうガラス越しで受け付けをしている。
「魔人、暴れるなよ！」
暴れないよ、ちゃんと君が見張ってればね。
「って！どこに行くんだ！」
どこかに座りたいな。
病院の隣には大きな建物があった。丁度いいからその階段に腰を下ろす。
悪魔が現れると町はぐちゃぐちゃになる。さっきもそうだった。だから動物病院なんてやっていなくて、もぬけの殻。だから少し離れた場所まで車を走らせた。
見上げるとあんな血なまぐさい事があったのに、空は穏やかだった。空気を肺に取り入れていると、煙の香りがして視線だけそちらを向けるとタバコとやらを口に咥えてふかしている男が歩いてくる。
人間は変な生き物だ。死ぬことへの恐怖は持っているくせに、死に急ぐようなものを体に取り込むんだから。左から右へと通り過ぎていく男はタバコを地面に投げると足でねじりそのまま道を通り過ぎていく。
「魔人、貴様は何の悪魔だったんだ！」
ねじられたタバコを見つめていると荒井が話しかけてきた。
「何の悪魔だと思う？」
「聞いてるのはこっちだぞ！」
うーん…。マキマには何も聞いてないのか。なら別に話す必要もない。必要ならきっとあいつが勝手に言うはずだ。
正直、言う気がまったくなかった。
なんて言おう。
頭を悩ませていると、か細い鳴き声が聞こえた。痩せている猫がいつの間にか足にすり寄ってきている。猫の脇を持ち上げて自分の目線まで上げると「にゃーん」と甘えた声を出してくる。相当人間に慣れているらしい。抱えられて嫌な素振りすら見せない。
「猫の悪魔」
「は…ね…？」
「猫の悪魔、にゃ〜ん」
荒井の方へ猫を向けて鳴いて見せると、彼は額に汗をかきながら固まってしまったのだった。
荒井はよく固まる。
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ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね！少し油断すると風邪を引きそうになりますから！ (2022年12月10日 7時) (
レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜！！体調不良に気をつけて下さいね！ (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます！嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです！お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください！応援しています！ (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい！読ませて頂きます！ (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブブ | 作成日時：2022年11月14日 15時
