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全員が一つの部屋に集まっていた
姫野は煙草を吸い
その隣に荒井
窓側に早川
ベッドに入るデンジに
そこに座るパワー
そしてその向かいに座るコベニ
俺はパワーと反対側の縁に腰を掛けている
「状況を確認する」
静まり返った部屋で一人、早川は話し始める
「おそらく悪魔の仕業で8階の階段からどれだけ登っても降りても8階につく、エレベーターはなぜか使えない、部屋や窓からは外に出られない、天井を登ってみたが上も8階だった」
「パワーがその悪魔殺しちまったからじゃねえのか〜?閉じ込める力を使ったまま死んだんだ!その悪魔が」
「ウヌが殺せと言ったんじゃ!」
「言ってねえ!」
頬杖をついて窓の外を見るが
その奥にも部屋が続いている。
そしてその部屋のドアを開けると部屋の前の廊下に続いている
「力は悪魔が死ねば解除されるからそれはありえない」
「アキ君肉片の反応は?」
「それが…反応が全くなくなりました」
「この悪魔を囮にまんまとハメられたってワケか…
こんなトリッキーな事してくる悪魔はじめてだね」
後ろへと視線を向けるとコベニはさっきから変ににやけている
眉をハの字にし目元に涙を浮かばせ大量の汗をかいていた
恐怖の匂いが濃くなり、先ほどからパワーも隠そうともせずコベニを見てにやけている
すると突然コベニが話始めた
「私たちここで全員死んじゃうんだ… お腹ペコペコで死んじゃうんだ…」
「こっコベニちゃん気張れ!デビルハンターやって兄を大学に行かせたいんだろう?」
荒井の鼓舞もどうやらコベニに届きそうにもない
そして半分無理矢理に兄だけは大学に行かせたいからコベニに働けといい、風俗かデビルハンターかの選択肢がなかったと言うと彼女の緊張はぷつりと切れた
「私も大学行きたかったんですう〜!!でもここで死んじゃうんですう〜!!」
そしてパワーも限界に達した
「その顔…!ガハハハハハハハ!!」
もう我慢ならんパワーは床に転がり落ち足をバタバタ
ベッドをぼふぼふと殴りつける
別にコベニの泣き顔に笑うわけじゃない
パワーの笑いが俺にまで伝染してきて
肩が震えるのを必死に抑える
「コベニちゃん…悪魔は恐怖が大好物だからね、怖がってたら相手の思うつぼだよ」
よしよしとコベニの頭を撫でる姫野
ようやく笑いが収まる頃
早川を見ると視線がどこかへ釘付けになっている
つられるようにそちらを見ると
そこには8時18分を刻まれた時計があった。
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ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね!少し油断すると風邪を引きそうになりますから! (2022年12月10日 7時) (レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜!!体調不良に気をつけて下さいね! (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます!嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです!お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください!応援しています! (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい!読ませて頂きます! (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブブ | 作成日時:2022年11月14日 15時