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「ここが風呂」
食事を終えると部屋の中を案内される。
風呂の前には洗濯機が置いてあり、今も稼働しているようでゴウゴウと音を立てながら揺れている。
「風呂はたまにしか入らん派じゃ！」
まじか…。
不意に小さい声が出てしまう。
きょろきょろしているととんでもないことを言いだすパワー。
人には人の流儀があるのだろうが…多分面倒なだけだろうな。
「入れ！」
「クセえんだよ！！」
早川もデンジも語尾を強めに言うが何も気にも留めない様子でパワーはニャーコを胸に抱き頭を撫でる。
「ここがトイレ」
「トイレ？」
パワーの表情の変化に俺は息をのむ。
「糞はたまにか流さん派じゃ！」
まじか…
「流せ！」
「クセえんだよ！！」
まさかそこまで面倒…？
節水なのか？
呆気に取られていると、ため息をつきニャーコに微笑みかけるパワー。
「なんじゃウヌら…人間は繊細じゃのお〜！なあニャーコ」
ほれほれ首をかいてやろうな〜とのほほんとしている彼女を無言で睨む早川とデンジはしばらくの間立ち尽くしていた。
人間じゃない俺でも嫌だ…。
この先の生活に不安を覚える俺だったのだ。
.
.
.
「洗濯機、借りていい？」
風呂をもらった後、洗濯機が動いていない事に気付いた俺はリビングで新聞を読んでいる早川に問いかける。
え？という顔で振り返る早川。
「服、あんまりないから」
服は公安の制服二着と、公安に捕まった時にマキマが支給してくれた服の三着ほどしかないため、物をためておくといつか着るものが無くなってしまう。
「使っても問題はない…」
それだけ聞くと洗濯機に自分の服を入れて、洗剤を借りスイッチを押した。
音を立てながら揺れ出す洗濯機の蓋に手を置く。
もっと近くで、人の傷みに触れたい。
漂ってくる匂いだけじゃ満足できない。
洗濯機の左隣にある鏡。
そこに姿を映すと見慣れた姿が写り込む。
邪魔になってきた前髪を耳にかけようとするが
それほどの長さがない髪は耳にかからず頬を流れる。
髪を乾かしていなかったことを思い出して
俺用にと新しく出してくれたバスタオルで髪の先を絞る。
ぽたりと床を濡らす雫。
バスタオルを肩にかけて、鏡を覗き込むと
一粒涙が流れた。
無言のまま、鏡を眺めていると
いつの間にか洗濯機は静かになっていた。
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ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね！少し油断すると風邪を引きそうになりますから！ (2022年12月10日 7時) (
レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜！！体調不良に気をつけて下さいね！ (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます！嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです！お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください！応援しています！ (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい！読ませて頂きます！ (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブブ | 作成日時：2022年11月14日 15時
