悪い意味での転機 ページ9
昨日の落下事件はそれなりに大きな出来事だったらしく、他のフロアにも話が広まっているらしい。私が居合わせたことが一体どこから流れたのか、翌日を迎えても、顔を合わせる度にいろんな人からちょくちょくその話題を持ちかけられる。お陰でオフィスにたどり着くまで時間がかかってしまった。
「おはよう、待たせてごめんね」
「はい」
到着した時には、すでに私のデスクの近くでジェミンくんが待機していた。簡素な返事にイラつかなかったのは、きっと昨日命を救ってもらったことに恩を感じているからだ。
「あれ、Aもう行くの？コーヒー淹れたのに」
「ありがとうドンヒョク。昨日やり残したことあるからもう行ってくる」
「それ、マクさんにあげて」そう言い終わるよりも先に、コーヒーがマクさんの手に渡っていた。普段私が使っている桃色の可愛らしいカップが骨張った指に包まれているのは、なんだか面白い。嬉しそうな顔をして啜っている本人は全く気にしてなさそうだけど。
昨日の事件のせいで急遽中止になってしまったため、今日はその分の仕事もしなければならない。オフィスを出て昨日と同じ階段のある方に足を進めると、背後からジェミンくんの声がした。
「そっち使えません」
「え、そうなの？」
ここからは見えないため試しに駆け寄って見てみると、通れないように「通行禁止」と書かれた黄色いテープが貼ってある。本当だ。もしかして、先に見に行ってくれてたのかな。
少し歩かなきゃいけないけどエレベーターを使うしかなさそう。その事を彼に伝え逆方向に踵を返す。普段は近いフロアにしか用がないため、ここのエレベーターを使うのは久しぶりだ。
上矢印のボタンを押す。エレベーターがやってくるまでの間、照明に照らされて本来の色より明るく染まるそれを無言で見つめる。
“一緒に運んでくれるの？”
“うん、私も上に用があるから。ついでにね。”
“優しいね。”
“ありがとう。” あの笑顔を向けられた時、恥ずかしくて、このボタンを見つめることしかできなかった。私と違って、恥ずかしげもなく感謝の気持ちを言える人だった。そんなところに慣れなくて、くすぐったくて。
…だめだな、本当。
やってきた箱に乗り込む。すぐに到着した上のフロアで昨日やるべきだった業務を行い、さらに今日中のものもなんとか午前中に終わらせることができた。
今日のお昼は約束している人も特にいないので、昨日と違って1人だ。1人だと色々考え事をしてしまう。
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ジュン(プロフ) - 優。さん» お気遣いまでありがとうございます。長文のコメントとても嬉しいです！これからも、ぜひともお付き合いよろしくお願いいたします:) (3月11日 0時) (
レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 優。さん» 楽しみに待ってくださり本当に嬉しいですTT Twitterの方も見て下さっているのですか！？感激です…今までの作品とは異なり物語の展開が早く進むことを意識して描く予定です。ですので優。さんの気になるところはすぐ明るみになるかと…！ (3月11日 0時) (レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - Twitterの新作のお知らせから今日まで本当に楽しみにしていました…！！主人公を含めた登場人物の過去に何があって今に至るのかすごく気になります。ジュンさんは情景描写が上手なので自然と感情が物語に入ってしまいます…💕更新は無理せずに！長文失礼しました (3月10日 12時) (レス) @page18 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - この度は読んでくださりありがとうございます！感想お待ちしておりますので気軽にお声掛けくださいね:) (3月5日 1時) (レス) id: 3eac17ee35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2024年2月22日 23時
