天使なの？ ページ7
「え、午前中 俺のフロアにいたの」
「うん。すぐ帰ったけどね」
「あー、上から機材積んでたやつが落ちてきたんだって？よく怪我しなかったね」
「運が私を救ったんだよ…本当にびっくりした」
「今年の使い切ったかもな」
「…正直その自信はある」
「じゃあ俺の運あげる」隣に腰を下ろしてきたドンヒョクは、私とロンジュンの会話にそう入り込んできた。ロンジュンが彼のお盆の上のものに目を輝かせる。
「おお〜美味そう」
「やっぱこれっしょ。韓国を味わわないと」
「どこ行ってたんだっけ？」
「シカゴ。いただきま〜す」
ビビンバをかき混ぜて早速口に含む。そして嬉しそうな顔をしている。そんな彼の首にぶら下がっている名札には「イドンヒョク」の名前の隣に、海外研修に行った者だけに押されるマークが印刷されていて、本当に行ってきたんだなあと実感する。
「こうやって俺はお前らより一足先に出世階段を登ってゆくのさ」
「新人指導もしてないくせに？ウザ」
「そうじゃんロンジュン、この人唯一この中で新人指導係じゃないよ」
「俺だって異動になって数ヶ月でやらされてんのに」
「え、ロンジュナ異動になったの？」
「逆に訊くけど、お前出勤してきた時なんも思わなかったの？お前のデスクの前も左も変わってないけど右だけ人変わってたよな？」
スプーンを咥えたまま天井を見て思い出している様子のドンヒョク。ロンジュンはそんな彼を見て、はあ、と呆れた様子で肩を落とした。
実は、ロンジュンは数ヶ月前まで、私たち、つまり私とドンヒョクと同じオフィスにいたのだ。しかし紆余曲折あって異動となり、午前中に訪れたフロアに所属することとなった。
私たちのフロアでの内容が活かせるとはいえ、大きく業務内容が変わるので、ロンジュンはここ数ヶ月本当に忙しかったと思う。そんな彼に新人指導係を押し付けるなんて、なかなかにブラックな職場だ。今だって同じくらい忙しいはずなのに、この前みたいに私の愚痴を聞く係までやってくれるなんて、やっぱり彼は優しい。「それよりA」ロンジュンの優しさに浸っていると、その彼が私の名を呼ぶ。
「なに？」
「午後はこっち来ないの？」
「午後は行かないよ、普通にこっちのフロアで仕事する予定。なんで？」
「んー、いや。明日も来るんだよね？」
「うん。金曜までは午前中だけそっちにお世話になるよ。そっちのオフィスに顔出すと思うから、何かあったらよろしくね」
「オッケー、ドンヒョクは何すんの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 340人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジュン(プロフ) - 優。さん» お気遣いまでありがとうございます。長文のコメントとても嬉しいです！これからも、ぜひともお付き合いよろしくお願いいたします:) (3月11日 0時) (
レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 優。さん» 楽しみに待ってくださり本当に嬉しいですTT Twitterの方も見て下さっているのですか！？感激です…今までの作品とは異なり物語の展開が早く進むことを意識して描く予定です。ですので優。さんの気になるところはすぐ明るみになるかと…！ (3月11日 0時) (レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - Twitterの新作のお知らせから今日まで本当に楽しみにしていました…！！主人公を含めた登場人物の過去に何があって今に至るのかすごく気になります。ジュンさんは情景描写が上手なので自然と感情が物語に入ってしまいます…💕更新は無理せずに！長文失礼しました (3月10日 12時) (レス) @page18 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - この度は読んでくださりありがとうございます！感想お待ちしておりますので気軽にお声掛けくださいね:) (3月5日 1時) (レス) id: 3eac17ee35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2024年2月22日 23時
