行かないでください ページ26
結局、オフィスを出た時には21時になっていた。ジェミンくんは新人ということもありいつも定時に帰らせていたため、彼と一緒にここを後にするのは初めてだ。IDカードを機械にかざしてエントランスに出る。私の背後にいた彼とそこで別れると思っていた私は、振り返ってお礼を言った。
「遅くまで手伝ってくれてありがとう。また明日」
「…あの」
「ん？」
普段の彼の様子からして返事が無くても特に気に留めていなかった私。しかし予想していなかった彼の声に、帰路につこうとしていた足を止めて踵を返した。
黒いスーツに同じ色のリュックを背負った彼は、会社のエントランスで、夜用の微かな明かりを反射する床をしばらく見つめていた。そして、綺麗な二重の下にある黒目が私を捉える。
「送っていきます。危ないと思うので」
「…え？」
「家どっちですか」
送っていく？？？ん？？？危ない？？？
1ヶ月過ごしてきて知った彼からは全く馴染みのない言葉に思考が停止する。私を追い抜きスタスタと歩みを進めるものだから、急いでその背を追いかけた。
会社から出てすぐの大通りの目の前で左右を見ながら「どっちですか」と静かな声を出すジェミンくん。その勢いに流されて、思わず左と答えてしまった。
私はここから駅まで歩き、そこから電車で帰るけど、一体彼はどこまでついてくる気なんだろう？あまりに混乱している私は、道路側を歩く彼がこちらを見ていることなど全く気が付かなかった。
「…なんですか」
「えっ」
「すごい険しい顔してますけど。シワになりますよ」
「はぁ…？！いや、だってジェミンくんがいつもと違うから…！」
これ以上シワを増やしたくない私は、頬や眉間に手を当ててマッサージを始める。私より何個も年下のインフルエンサーがアンチエイジングにオススメだとか言ってたけど、実際のところどうなのだろう。
それにしても、ジェミンくんがシワひとつない綺麗な肌をしているのって、いつも無表情だからなのかな。あのインフルエンサーが言っていた表情筋の話は本当だったのかもしれない…。
「『いつもと』って何ですか」
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ジュン(プロフ) - 優。さん» お気遣いまでありがとうございます。長文のコメントとても嬉しいです！これからも、ぜひともお付き合いよろしくお願いいたします:) (3月11日 0時) (
レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 優。さん» 楽しみに待ってくださり本当に嬉しいですTT Twitterの方も見て下さっているのですか！？感激です…今までの作品とは異なり物語の展開が早く進むことを意識して描く予定です。ですので優。さんの気になるところはすぐ明るみになるかと…！ (3月11日 0時) (レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - Twitterの新作のお知らせから今日まで本当に楽しみにしていました…！！主人公を含めた登場人物の過去に何があって今に至るのかすごく気になります。ジュンさんは情景描写が上手なので自然と感情が物語に入ってしまいます…💕更新は無理せずに！長文失礼しました (3月10日 12時) (レス) @page18 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - この度は読んでくださりありがとうございます！感想お待ちしておりますので気軽にお声掛けくださいね:) (3月5日 1時) (レス) id: 3eac17ee35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2024年2月22日 23時
