飲み会 ページ19
「生5つでいいですか〜？」
「あ！俺もお願いします！」
「6つですね了解です〜！」
ワイワイガヤガヤ。新人の歓迎会。その名目で集められた私たちは、飲み会が好きな人々のために数時間居座る。
私は別に飲み会が好きなわけじゃない。お酒が好きなだけ。世の中ではこの二つはイコールで繋げられがちみたいだけど、厳密には全然違う。仲のいい人とお酒を飲むのと、表面的な繋がりしかない人と飲むのでは、同じお酒でも味が全く違うのだ。
でも早めに退勤できたからいいのか。いや、こうやって別に仲良くない人とのために時間を縛られるという観点で言うと、結局変わってないかも？そんなことを悶々と考えながら、テーブルだけはまだマシかと、同じ机を囲む人に視線を向ける。
「それでぇ、俺が髪を染め直したのはぁ」
「シカゴでバーにいたお姉さんに言われたからだろ」
「えぇ？なんでマクヒョン知ってるんですかぁ？俺言ったっけぇ」
「めっちゃ嬉しそうな顔して報告してきたじゃん。『黒髪の時の写真見せたら、ブロンドヘアのお姉さんに黒の方が好みだわって言われた』って」
「ふうん、そんなことも言ったかもぉ」
「お前大丈夫？抜ける？」
「んぇ？ヒョンが俺のことお持ち帰りしてくれるんですかぁ？」
「…ロンジュンいる？」
なぜかすでにベロベロ状態のドンヒョクの話し相手をずっとしているマクさん。ロンジュンと仲がいいと思われているのか私に問いかけてきたため、首を横に振って「ロンジュンはあっちのテーブルです」と指をさす。
主にテーブルはフロアによって分かれているようで、ロンジュンは少し離れた場所で、楽しそうに男の人と話している。彼を視界に入れたマクさんは、はあ、と困ったように眉を下げた。
彼はドンヒョクが寄りかかっているせいで、うまく腕が動かせない様子。目の前に置かれているビールは店員さんが持ってきた時から姿を全く変えていない。変化らしい変化といえば、結露がだいぶ進んでいることくらい。
こいつ、先輩に迷惑かけやがって…。思わず、ふにゃふにゃしている同僚に冷たい視線を送る。
「マクさん、それ受け取ります」
「え？いいの？大分面倒臭いと思うよ」
「ドンヒョクのせいで全然食べれてないじゃないですか」
「…いいの？」
「はい」
「先輩に迷惑かけるなんて私が許せません」一発殴っときますと告げる。ドンヒョクは動かせそうにないので、苦笑いしたマクさんと席を交換することで小麦色の彼を引き取った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 340人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジュン(プロフ) - 優。さん» お気遣いまでありがとうございます。長文のコメントとても嬉しいです！これからも、ぜひともお付き合いよろしくお願いいたします:) (3月11日 0時) (
レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 優。さん» 楽しみに待ってくださり本当に嬉しいですTT Twitterの方も見て下さっているのですか！？感激です…今までの作品とは異なり物語の展開が早く進むことを意識して描く予定です。ですので優。さんの気になるところはすぐ明るみになるかと…！ (3月11日 0時) (レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - Twitterの新作のお知らせから今日まで本当に楽しみにしていました…！！主人公を含めた登場人物の過去に何があって今に至るのかすごく気になります。ジュンさんは情景描写が上手なので自然と感情が物語に入ってしまいます…💕更新は無理せずに！長文失礼しました (3月10日 12時) (レス) @page18 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - この度は読んでくださりありがとうございます！感想お待ちしておりますので気軽にお声掛けくださいね:) (3月5日 1時) (レス) id: 3eac17ee35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2024年2月22日 23時
