一週間で十分だよ ページ2
そのあとは本当に大変だった。
カチンと来たが、頑張って余裕のある先輩を装って「よろしくね」と無理やり手を取って振ってやると、めちゃくちゃ苦そうな顔をされたし、仕事内容を教えるたびに分かってんのか分かってないのか判別し難い曖昧な返事しか返さないし。
しまいには1日の終わりに、初出勤お疲れ様の思いを込めて近くのコンビニで買ったお菓子を渡すと「いらないです。チョコ嫌いなんで」と受け取ってもらえなかった。
彼は今日ここが初めてだから。最近の子はこういう子が多いのかもしれないから。私みたいな歳をとったおばさんは今の時代を知らないだけかもしれないから。そういう気持ちで必死に怒りを抑え、ピキピキと動く目元を必死に隠した。
しかし、1週間という時間は、私の忍耐袋の紐を切るには十分だったようだ。
「あいつまじでなんなの！？」
その声と同時にガタン、と勢いよく置いたグラスを一瞬苦い顔をして見た同期は、叫んだ私に視線を移した。
「あー、あの、ジェミンってやつ？」
「そう！1週間我慢してたけどさ、もう限界！」
「まあまあ落ち着けよ」
「ロンジュンはきちんとしてる子が相手だからそんなこと言えるんだ！こっち受け持ってみなよ！発狂するよ！？」
「まあまあ…」
「まあまあしか言わないじゃん！もうヤダ！」
おつまみのお皿を無理やりどかしてできたスペースに半ば投げやりになってうつ伏せる。うう、と呻き声に似た泣き声を出すも、周りの客の楽しそうな音が耳に入って余計に鬱々としてくるだけだ。
「久しぶりに心が回復したと思ったらあんな奴が相手でさ…もうほんと悲しくなるよ。私ってなんのためにここで働いてるんだろ」
「…まあ、確かに、ほぼ病み上がりメンタルのお前にアイツは酷だな」
「…そう思ってるなら変わってよ…」
涙目になりながら顔を上げる。頬杖をつきながらグラスの半分を占めるビールを口にしていたロンジュンと目が合う。
「ムリ」結局私の耳に落ちてきた音はそんなもので、再度瞳に水分を含まざるを得なかった。
私だって、出来ない子が嫌いなわけじゃない。優秀な子より、出来ないなりに頑張ってる子が好きな方だ。頑張るという姿勢さえ見せてくれれば、いくら出来なくとも見逃してあげる懐の広さは持ち合わせていると自負している。
でも、アイツは別だろ。素っ気ない、愛想ない、つまらない。評価として最低最悪な「ない」のオンパレードでまだ足りないくらいのレベルだ。
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ジュン(プロフ) - 優。さん» お気遣いまでありがとうございます。長文のコメントとても嬉しいです！これからも、ぜひともお付き合いよろしくお願いいたします:) (3月11日 0時) (
レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 優。さん» 楽しみに待ってくださり本当に嬉しいですTT Twitterの方も見て下さっているのですか！？感激です…今までの作品とは異なり物語の展開が早く進むことを意識して描く予定です。ですので優。さんの気になるところはすぐ明るみになるかと…！ (3月11日 0時) (レス) id: 435677d422 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - Twitterの新作のお知らせから今日まで本当に楽しみにしていました…！！主人公を含めた登場人物の過去に何があって今に至るのかすごく気になります。ジュンさんは情景描写が上手なので自然と感情が物語に入ってしまいます…💕更新は無理せずに！長文失礼しました (3月10日 12時) (レス) @page18 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - この度は読んでくださりありがとうございます！感想お待ちしておりますので気軽にお声掛けくださいね:) (3月5日 1時) (レス) id: 3eac17ee35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2024年2月22日 23時
