最後の初恋 3 (ページ39)

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彼女があまりにも興味深そうに聞いていて、質問が止まらなかったからだ。最終的には、彼女が帰る時には俺を「ロンちゃん先生」と呼び、タメ口を使われていた。

「また教えてね」そう言って去った時は「面倒な奴に絡まれちゃったな。どうせもう来ないんだろう」くらいしか思わなかったけど、次に紙袋を手に再び現れたのだから驚いた。

この前のお礼、と差し出して来たときは賄賂かと思ったけれど、全部お菓子だった。それを一緒に食べながらチョンロの話をする。それを何度か繰り返していたら、彼女の中で俺が「仲のいい先生」の枠に入るのも時間の問題だったみたい。

正直なところ、彼女がチョンロに対して抱いている感情は、若い子が大人を見たときにカッコいいと思うのが形を変えたものだと思っていた。結局蓋を開けてみればそんなもので、若くて経験が浅いがゆえに、それが「恋愛感情」として見えているだけ。

あんな熱烈なアピールを受けといて、しれっとしているチョンロもそう認識しているのだと思っていたから、ドンヒョクと喧嘩気味になった時、彼からAの名が出た時は正直びっくりした。

チョンロがAを家に呼んだ。しかも、一泊だけど泊まらせた。

その事実だけで十分だろう。きっと、チョンロには「自分と境遇が似ている生徒」以上のものとして、Aが映っていたはずだ。

「何これ！美味しい！」
「でしょ、俺のお気に入り」
「ロンちゃんセンスあるじゃん〜」

おつまみをおつまみと思えない速度で食べるA。ここで腹いっぱいになる気か、なんて笑っているドンヒョクはもう一軒行く気なのかな。

なんであいつは何も言わないで韓国を出て行ったんだろう。自分が、あやふやなまま、Aに自分に向けた気持ちを放置させるようなことが許される人間だと思っているのだろうか。

今おつまみを食べている彼女は元気そうで何よりっていう様子だけど、さっきの店の中で向かいの男からチョンロの名が発せられた時の顔を見た感じ、そこまであいつのことを忘れられてないみたい。

2人にはバレないように、ため息をつく。

厄介な男を好きになっちゃって、本当に可哀想な子だな…。