最後の初恋 3 (ページ35)

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不謹慎だな…なんて思いながら、韓国に戻ってくるかすら怪しいことを伝える。「そこまで知ってるなら連絡先も知ってるでしょ」と突っかかってきたけど、知らないものは知らない。もうどうでもいい話題だし。

「ねえもっと楽しい話しよう」せっかくのアイスが台無しだもん。これのために30分も並んだのだから、もっと利益のある話がしたい。

「え〜、俺は今の話楽しいよ」
「私は楽しくない」
「じゃあじゃんけんで勝った方が好きな話しよう」
「いいね、乗った」

互いに片腕をまくって、目を合わせニヤリと笑う。
最初はグー。じゃんけん…。

「あー！ロンジュナ！なんか俺の減ってね？！」
「ん〜？気のせいじゃないの」
「嘘だ！5本入ってたろ！4本しかないじゃん」
「ちぇ、なんで覚えてんだよ…」
「やっぱり！！！」

隣の席に突然降りてきた声。耳馴染みのある音に、思わず拳を握りしめたままそちらを向く。すると、向こう側も同じタイミングでこちらを見た。

「お、勝った」
「…ロンちゃん？」
「『先生』な」
「私もう卒業したもん」
「A、俺勝った。聞いてる？」

ヤンヤンが独り言を呟き、私がロンちゃんの名前を呼び、それにロンちゃんが高校の時と同じ反応をした。肩を揺らされ手元を見れば、ヤンヤンがパーを出している。ちくしょう、どうやら負けたみたい。

「ドンヒョク、Aいる」ロンちゃんが彼の向かいに声をかける。アイスを頬張っていたドンヒョク先生は、やっと気がついたようだった。頬を膨らませたまま目を丸くしている。

「えっ、Aじゃん！久しぶり！」
「久しぶり。2人してなんでこんな可愛い店にいるの？」
「ロンジュナが『食べたいけど1人で入るの気まずいから一緒に来て』って」
「えっ、可愛いじゃん」
「うるせえ」

頬を膨らませるロンちゃんも、「可愛いよなぁ」とニヤつくドンヒョク先生も私服だ。今日は休みだったんだ。学校で忙しそうな姿を見ていたため、休暇を満喫できていそうな姿にホッとする。

「ねえ、A。俺勝ったからチョンロさんの話の続きしていい？」

その瞬間、隣のテーブルの2人がピタッと固まるのが視界の端で見えた。