最後の初恋 3 (ページ33)

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さようならページ33

幸せになってほしい、だなんて曖昧な言葉。

桜がはらはらと散る中、卒業証書の入った筒を握り締める。

大学に行っても会おうね。
ねえ、アルバムにメッセージ書いて。
一緒に写真撮ろう。

友達がかけてくれる言葉は嬉しいけれど、私の望むものじゃない。

せめて、この日だけでもいいから来てほしかった。私に会いに来るという目的じゃなくても、授業を受け持った生徒の卒業姿を見送るという意味だけでも。ただあのスーツ姿でここに来てくれればそれで十分だった。

結局、あの人にとって私は、1年の時に授業を受け持った生徒以下だ。ドンヒョク先生からの最後のメッセージが書かれたページを見つめる。

この人は「いつもみたいに教室で待ってる」って言ってくれるのに。

なんでその言葉をくれるのはあの人じゃないの。

あんなに丁寧に接してくれたドンヒョク先生に返す気持ちとして最低な言葉だ。だから、決して口には出さない。

諦めようって決心したはずなのに、こうやって空白を見つけるたびに虚しく、恋しくなってしまう。でも、この校舎を去ってしまえば少しは前に進めるかな。

涙。笑顔。懐古。それぞれが思い思いの感情を顔に浮かべる中、ノートを閉じたその瞬間、桜の花びらが入り込んだ。でも私が再び同じページを開くことはなかった。