最後の初恋 3 (ページ25)

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「チョンロー、部活」
「あー…うん、今日は休む」
「え〜？またぁ？」

隣のクラスの男子が不思議そうに発した言葉に、彼はただ、ごめん、と笑った。その男子が去った後、部活に向かおうと荷物をまとめていた俺は手を止めてチョンロに声をかける。

「ピアノ？」
「…うん」
「…大丈夫？」
「大丈夫」

その時のチョンロはさっきの男子に返した時みたく困ったように笑っていた。その笑顔はあまり追及してほしくなさそうに見えたけど、そんな日々が続いていたのをそばで見ていたから、俺は踏み込んだ。

俺に背を向けてドアに向かおうとするチョンロの腕を掴む。振り返った彼は目を丸くしていた。「…チソン？」

「大丈夫じゃないのに、なんでそんなこと言うの？」
「…本当に大丈夫だよ」
「全然大丈夫じゃないじゃん。俺、チョンロの明るいとことか眩しいとこ、好きだよ。でも最近のチョンロは違う。何か抱えてる感じで辛そう」

「そんなチョンロを見てると、俺が辛い」震える声。今までそんなことを言ったことがなかったためか、彼はすごく驚いていた。出会って2年。チョンロに対して『こういうところが好き』ってことはもちろん、チョンロに対して感じていることすらも口にしたことがなかったから。

また、あの眩しい瞳を見てみたかった。黒色に光が集まる、宇宙のようなそれを。

「…話していいの？」
「うん、話してほしい。チョンロのこと、もっと知りたい」
「俺のこと、嫌いにならない？」
「ならないよ。約束する」

小指を絡めて、親指を当てた。
目を細めて嬉しそうに微笑んだ彼は話してくれた。