最後の初恋 3 (ページ22)

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「それで、チョンロとは高校の時の同級生で、3年間クラスが同じでした。今でも連絡はよくとってます」
「あぁ…同級生…。私はパクAです、はじめまして」
「はじめまして。Aさんはもう知ってると思うけど、チョンロと俺はAさんと同じ高校に通ってました」

高校の同級生だったのか。チョンロ先生が私が通っている高校が出身なのは知っていたから、必然的にチソンさんも、ということになる。

まさかあの有名なモデルさんが同じ高校出身だとは…。うちの高校は芸能系では無いからもちろんモデル科などあるわけないのに…すごい…。

そのことを言うと、チソンさんは恥ずかしそうに笑って教えてくれた。もちろん高校生の時はモデルという仕事など視界の片隅にすらなく、ダンス部に没頭する毎日だった。大学では宇宙系の学部に行ったので、そういう仕事に就くものだと思っていた。しかし紆余曲折あり、今こうなっていると言う。

その紆余曲折のところが一番気になるんだけど…。なんて思いつつも、ハーブティーを一口飲んでチソンさんの話の流れに身を任せる。

「チョンロが、俺が韓国にいる間ここに住んだらどうって声をかけてくれたから、今お邪魔してるんです。何もしなくていいよって言われたんだけど、申し訳ないから色々お手伝いさせてもらってます」
「さっきの芝刈りもそれで…」
「うん。ご覧の通りお庭はすごく広いけど、意外と楽しいですよ」

門からここに案内される時も芝刈り機を押していたチソンさん。歩くたびに芝刈り機から刈った芝がぴょこぴょこ跳ねるから、実はそれが気になって仕方がなかったのだ。

芝刈りの他にも、お花の水やりや観葉植物の専用の部屋の管理など、ちょっとしたことをやらせてもらっているのだとか。もちろんそれぞれには専属の人がいるため、チソンさんは任されるというよりはその人達のお手伝いの部類らしい。

「それで、俺がAさんをここにあげた理由なんですけど」
「…はい」
「チョンロって、自分が本当に信用してる人しか家に呼ばないんです」

その言葉に微妙な気持ちになる。本当にそれが正しいなら、あの人は私を信用してくれていたということなのだろうけど…。以前ここを訪れた時はそういう感じじゃなかったような気がする。

あの時は、先生の正義感によってここに招かれたように思えるのだ。