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先ほど、耳元で囁かれた時。
手首を握られた時。
笑顔を向けられた時。
全て、彼にされていることと同じなのに、気持ちが悪くて仕方がなかったこと。
彼氏がいるかと訊かれたとき、一瞬言葉を詰まらせた自分がいたこと。
その時脳裏に浮かんでいたのは、彼だったこと。
リュックから取り出したスマホをいじり、ある1人の人間の名前を表示させる。電話のボタンをタップして耳に当てていれば、何コールか経ってから、懐かしい声が聞こえた。
『久しぶり、かわいこちゃん。どうしたの？』
「ドンヒョクくん、久しぶり。急にごめんね。
…私、分かったよ」
数秒、電話の向こうが静かになる。『…どっちだった？』その後に耳に入った声は、恐る恐る、といったように聞こえた。
「…恋してるみたい。私、ナナのことが好きみたい」
気がついた。私はナナに恋をしているんだ。
ナナだけだ。触れてきた時も、笑顔を向けてくれた時も、名前を呼んできた時も、ドキドキするのは。それは先ほどの恐怖が奏でる鼓動の音とは全く違うものだって分かる。
文化祭委員の仕事であの子と一緒にいた時、胸がモヤモヤしたのもそういうことなんだ。ずっと私の隣にいてくれたらいいのになって、私だけを見てくれればいいのになって。それは、ドンヒョクくんが前に教えてくれた『恋している』という感情だ。
そして、今ならわかる。
触りたいけど、触れたら壊しちゃいそう。ジェノくんが以前言っていたこの言葉の意味が。
それは、相手が大切だからなんだね。大切だから触りたいけど、大切にしていたいから雑に扱えない。
チソンくん、ドンヒョクくん、ジェノくん。やっと分かったよ。
私は自分が自覚するよりずっと前から、ナナが好きだったんだ。
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ジュン(プロフ) - jen（読み垢です）さん» またコメントして下さり感激です…ありがとうございますTT 一区切りというところまでお話が進みますので、是非とも最後までお付き合い宜しくお願い致します！jenさんこそ日々の時間を割いて読んで下さり、本当にお疲れ様ですTT (2023年3月25日 5時) (
レス) @page31 id: 3eac17ee35 (このIDを非表示/違反報告)
jen（読み垢です）(プロフ) - 泣くほど待っていて、読んだら泣けてきました どうしよう…切なくて耐えられないです お話も一旦終わりに近づいているのかな…嫌だな…泣 ジュンさんお疲れ様です (2023年3月23日 21時) (レス) @page24 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - jen（読み垢です）さん» わーー！jenさん！早速お声かけて下さり嬉しいですTT 本にしてくださいだなんて初めて言われました笑 そんな事を思ってくださるなんて感激しておりますTT これからも読んで下さる方が楽しめるような展開になるよう頑張りますね:) 待っていて下さい！ (2023年2月10日 17時) (レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
jen（読み垢です）(プロフ) - ドキドキワクワクしつつの…５泣！他のお話とも絡んでいるし…ジュンさんすごい…本にしてくださいな！で、あちらも各先生の恋愛やらプロポーズやら知りたいし…待ってます^_^ (2023年2月10日 11時) (レス) id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - なんと…ついに5まで来てしまいました…これからも宜しくお願い致します！感想やご意見、ご指摘等ありましたら気軽にお声掛け下さい！ (2023年2月5日 11時) (レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2023年2月5日 11時
