74-BH- ページ24
マンションからソローっと外に出ると。
想像していた、出待ちのファンたちはいなくて。
足を進めると、後ろからついてくる気配もなくて。
ラッキー！って、嬉しくなる。
Aちゃんが、今から帰るねって。
モモちゃんの家に寄って帰るねってLINEくれてたから。
コンビニでアイス買ってこよって、家を出たんだ。
Aちゃんの大好きなアイス、たくさん買おうとか。
ドライバーだから飲めないAちゃんのためにコンビニでおつまみ買って帰ろうとか。
Aちゃんのことばっかり考えてて。
なのに。
見覚えのある車が駐車場に入ってきたのが見えた瞬間から。
反対側にもコンビニがあったのに、なんでこっちに来たのかって。
後悔し始めていて。
そりゃ見覚えあるよ、あれ半分は俺の車だし。
中から出てきたのは愛おしい彼女だし。
なんか訳わかんないヒョロヒョロつれてるし。
てかなんで、男と一緒？意味わかんない・・・
って。
部屋着のパーカーのフードを被って
マスクをちゃんと鼻の上までつけると。
コンビニをでて、二人の会話が聞こえるくらいの距離で立ち止まる。
Aちゃんは、俺に気づいたみたいで
目が泳いでるし・・・
話聞いてれば、なんかボロっカスに言われてる俺。
しまいに人の彼女に・・・いや、婚約者に。
俺の方が幸せにできるとか、抜かしやがって。
よければって手を伸ばしたそいつに
どうして分からせてやろうか。
てか良ければってなんだよ？
厚かましいやつだな・・・
「触んな」
って、振り払えば。
きょとん、とした目で俺を見るそいつ。
「A、帰んぞ」
「待ってください、誰ですか？」
はぁ？
俺が誰かくらい分かるだろ。
現に帰るぞって言われて、大人しく運転席に戻ろうとしてるAちゃんみたら。
馬鹿じゃない限りわかる。
「次から、人のこと悪くいう時は
周りにいる奴がだれか、本人が聞いてないか
よく考えていうことだな。
あとそれと、Aがおたくと幸せになることなんかないから。
とっとと諦めて、消えろ。」
そう言い放って、運転席の扉を開くと、中にAちゃんを押し込む。
急いで助手席に乗り込んで
外を見れば、あの男は呆然とこっちを見てて。
あぁ・・・ムカつく。
むかつきすぎて・・・
どうしようか？
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作者名：micky!!
| 作成日時：2017年4月13日 0時
