Crazy Love's Kiss

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「じゃあ何？俺っていう彼氏がいて。
将来も真剣に考えてるけど・・・お見合いには行って。
男と仲良く話すわけ？」


さっきまでの幸せな雰囲気はもうなくて。

怒ってるベクくんが、まっすぐ私を見つめる。


「ごめんベクくん・・・でも。
お母さんがすごく私に期待してるの、
その気持ち・・・踏みにじれなくって。
お見合い行くだけ行って。
・・・帰ったら、ベクくんのこと話そうとおもって。」

「・・・・・・・俺のこと、やっと話すの？」

「・・・うん」


ベクくんの職業とかは、あかせないけど。

大事な人がいるってことくらい・・・言いたい。


「そのお見合い、いつ？」

「え？えっと・・・金曜」

「・・・・わかった。」

わかった？？？って？

どういう・・・

「・・・はぁ・・・最初で最後？」

頭をわしゃわしゃっ、と搔いて。

ため息を吐いたベクくんが、私を見る。

「もちろん！最初で最後。」

「すっげーイケメンでも、その気にならない？」

「ならないよ！！」

「お見合い終わったら、まっすぐ家帰ってくる？」

「うん」

「・・・・次はないから。」

って言ったベクくんが。

立ち上がると、寝室の方へとぼとぼ歩いていく。


逆の立場なら絶対いやなのに。

・・・私、ひどいことしてる・・・


寝室に入っていったベクくんを見て。

・・・ため息が出る。


やっぱり・・・


携帯を取り出すと。
電話をかける。


『もしもし〜笠間です』

「お母さん、私。」

『あら、なに？』

「お見合いのこと・・・」


ベクくんのことが。大事だから。

・・・本当に、愛してるから・・・


「やっぱり、断る。ごめん・・・」

『ええ？どうして？？木川さんも・・・』

「彼氏いるの。もうすぐ10ヶ月になる・・・
すぐにではないけど、将来も真剣に考えてるの。・・・大事な人なの」

『・・・そうだったの？なんでもっと早く言わないの』

「色々事情があるの！また実家に帰ったら説明するから」


もう〜とか。
あんたって子は昔から〜とか。

言ってるお母さんはよそに。

そそくさと電話を切って。

ベクくんの後を追う・・・。

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