恋愛対象外でも好きでいていいですか？ (ページ10)

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連れてこられたのはよく行く居酒屋。

「初めまして。セフンです」

いつもと違うのは私とベクの他にもう1人いるということだ。スラッとした色白のイケメンが立ち上がって丁寧にお辞儀をしてくれた。

「お前のことはもう紹介してあるから」

「Aさんですよね？」

ニコリと微笑む彼はとても綺麗で少し見とれてしまった。ベクのこと好きじゃなかったら惚れてたかも…

言い方は悪いけれど彼を利用すれば諦められるかもしれない。

「この前、出会いがないって言ってたじゃん。だから俺の後輩を…」

今は隣でドヤ顔してるビョン･ベッキョンが好きだけど？？？ムカつくから今ここで言ってやろうか。
…いやそんな勇気はない。

でも、時間が経てばセフン君のこと好きになれるかな？片思いでもなんでもいいから、とりあえずコイツを忘れたい。

「じゃ、お2人さんは仲良く～。俺はヌナから連絡来たから会いに行ってくる」

「は？ちょっ…待ちなさいよ」

私の言葉なんて気にも止めずに、ベクは急ぎ足で去って行った。

馬鹿、ベクの馬鹿。あんたのためにお洒落したのに。鏡の前でウキウキしてた自分が恥ずかしい。

「…？」

「…っ、ごめん。初めてなのに2人なんて気まずいよね？私帰るよ」

「待ってくださいよ。せっかくだし何か食べましょ？一人暮らしでいつも1人でご飯食べるの寂しいからちょうどいいです」

彼はこちらをじっと見つめてそう言った。
なんとなく腕を振り払うことなんてできなくて、
大人しく元の席へ戻る。