恋愛対象外でも好きでいていいですか？ (ページ8)

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「ここで寝ちゃだめだよ。起きて」

机に突っ伏したまま寝てしまった彼を揺さぶって
起きるように促すけれどびくともしなかった。

「ほら、ベッド貸してあげるか…っ」

トントンと彼の肩を叩いているとベクの腕に掴まれ、カーペットの上に押し倒された。

驚き、固まっていると徐々に近づいてくる唇。
私は抵抗なくそれを受け入れる。

「んんっ…はぁ」

「…っ」

だんだんそれが深くなっていくと
彼の手は私の胸元をサワサワと触り始めた。
好きな人に触れられていると思うと更に興奮してしまう。

「あっ…だめ」

「…ヌナっ」

…そう、だよね。

私なんかにこんなことするわけないもんね。
あの人と間違えられていたんだ。

悔しくて唇をぎゅっと噛み、彼の胸を押し返すと案外簡単に離れていった。…寝てるの？

ゴロンと床に寝転がるベクの目からは涙がほろりと零れ落ちている。この前までクリスマスに会えるってあんなに騒いでたんだから、私もなんだか辛くなってきた。

髪の毛をそっと撫でてやると
少し表情が柔らかくなった気がする。

そんなに辛いなら早く忘れればいいよ。
そう簡単にできないことは痛いくらいわかっているけれど。