恋愛対象外でも好きでいていいですか？ (ページ5)

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「クリスマス楽しんで」

「あぁ」

彼は恥ずかしそうに頭を掻いてから、
何かの決意を決めたような強い目をこちらに向けた。それと同時にソワソワと騒ぎ出す胸。

「あのさ…俺、告白しようと思うんだ」

やっぱりそうなのか。
覚悟していたはずなのにいざその言葉を聞くと
受け入れきれない自分がいた。

「そっか、上手くいくといいね。応援してる」

ごめん…本当はそんなこと、これっぽっちも思っていないの。口から勝手に出てくる強がりな嘘は目の前にいる大好きな人の姿をボヤけさせる。

「そうだ、これやるよ」

「えっ…」

「ちょっと早めのクリスマスプレゼント。お前ん所にはサンタ来ないらしいから」

手渡されたのはさっきのお店の紙袋で

「開けて」

言われた通りにその中に箱を開くと、輝いているあのネックレス。嘘…だ。

「これ…」

「本当はさ、ヌナのはもう買ってるんだ。今日のはお前用にプレゼント買おうと思って誘ったの」

「っ…」

「ちょっ…泣いてる？？」

「別に、泣いてないし」

「いつものお礼だよ、ありがとな」

ベクは呆れながらポタポタとこぼれ落ちる涙をニットの袖で拭ってくれた。
告白が上手くいかなきゃいいのにって思いがまた強くなっていく。ごめんね。友達失格だ。

「ベク大好き」

…行かないでよ。他の人の所になんて。

「ﾊﾊｯ、そんなことわかってるよ。だって、お前は俺にとって大切な友達だから」

"友達"…頭の中で何度も繰り返されるその言葉。

今のはね、ベクの"好き"とは違うんだよ。
あなたは私の言った"好き"の本当の意味を知らないでしょう？