空模様【橙】

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「じゃあまた明日ね

よ〜寝てや」



泊まっているホテルに向かう終電ギリギリまで一緒に居てくれた康二くん。



明日も会えるのに、名残惜しさがある。


『本当にありがとう

外暗いし気をつけてね』



12月、その上風もあって冷え込む夜だ。


朝は暖かったから気温差も大きかった。



『康二くんマフラーある？』


「持ってくるの忘れたんよな〜寒いし明日買おう思うてて」


『ちょっとまっててね！』


クローゼットを急いで開けて、男の人でも使えるようなデザインのマフラーを探す。


いつも使っているやつはもふもふでいかにも女性物だし…



モノトーンのマフラーを見つけて、これ使って！と差し出す。


『康二くんも風邪ひいたら大変だから』

「ええの？ありがとうな〜」


そう言いながら私のマフラーを付けて、部屋を後にした。



ベッドに戻る前に喉が渇いたからなにか飲もうと冷蔵庫を開けてびっくり。



昨日の夜はほぼ空だった冷蔵庫に大量に食べ物が入っていた。


お口に合えば嬉しい！というメモ書きと共におかずの作り置きがいくつかあって、冷却シートも冷やしてある。



私が寝てる間にたくさん作ってくれてたのかな…。


慌てて康二くんへメッセージを送る。


A冷蔵庫開けてびっくりした!
おかずも沢山作ってくれてありがとう T_T


するとすぐに既読がついて返信が来た。

向井康二しんどくても朝と昼ちゃんと食べてや!
薬も棚の上置いておいたから!!


Aわかった!本当にありがとう┏●


出会ってから今日まで、何かをしてもらってばかりで、私からは何も返せてない。



ﾋﾟｺﾝｯ

開いていた康二くんとのトーク画面に写真が届く。


電車の中で窓ごしにピースをしている康二くんの写真だった

向井康二Aちゃんのマフラー付けてるから実質ツーショット


A明日ちゃんとツーショット撮ろうね



そう返して、冷えたペットボトルを持ってベッドに戻った。

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