05_電話 ページ22
大阪での2日間のサイン会を終えて、東京に帰ってきた。
締切までは随分余裕があるけど、少しづつでも描いておかないと手が鈍ると思って作業机に向かう。
あの夜、またねって別れ際に言った時、康二くんが泣きそうになっていたのが少し気がかりだった。
考え事をしながら手は動かないことなんて分かっているのに、頭から離れない。
ー……出なくてもいいや
勢いってすごい。
いつもは康二くんが掛けてくれていたから、私から掛けるのは初めてだった。
数コール後にガサガサと音が聞こえた。
「もしもしぃ………？…Aちゃん？？」
『あ、ご、ごめんね…寝てた？』
お休みなのかな…
『また掛け直すね！』
「なんでよぉ…せっかく掛けてきてくれたのに……
なんか用あったんとちゃうのぉ？？」
まだ寝ぼけているのか、少し声がうつろうつろしていた。
『……声、聞きたくなって………
特に用事は無かったんだけど……起こしてごめん
ね………』
「…………」
電話越しの康二くんは黙ったままだった。
「………Aちゃん？」
『…はい』
「ビデオにしてええ？」
『えなんで……』
返答をする前に康二くんのビデオがオンになった。
ー…寝起きの康二くんだ笑
ベッドに寝転んだまま、まだ眠そうな目を擦っている。
慌てて自分のカメラもオンにする。
「Aちゃんやぁ〜数日ぶり」
『そうだね笑
今日はお休み？』
「ううん、昼から」
『…大変だね』
「Aちゃんの顔見れたから今日も頑張れそうや」
『なにそれ笑笑』
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ﾍﾟﾙ(プロフ) - ゆうりんさん» 読んで頂きありがとうございます！これからも楽しんで頂ければ幸いです♪ (2022年5月13日 18時) (
レス) id: d8670e4748 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん - めっちゃくちゃ面白いです！これからも更新よろしくお願いします (2022年5月13日 6時) (レス) id: df6b20803b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾍﾟﾙ | 作成日時：2022年5月8日 21時
