*あなたはケツイで満たされた。 [アンテ短編集] (ページ4)

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Killerとkiller[キラーサンズ視点] ページ4

「はー、今回も楽しかったね！」

　目の前の女は笑う。緑に黄色の横縞が入ったセーターを血に濡らして。手に持ったナイフには、もう血液の匂いがこびりついている。

　「さて、じゃあまたやり直そうか。何度も何度も」

　女は笑っている。笑っている。killerはけたけたと笑っている。

　ある日、俺は彼女から“誘い”を受けた。審判の間での殺し合いの最中に。

　「君には素質がある。共に殺戮を楽しもう？」

　そう言って笑う女は、もう俺が知るガキではなかった。

　当然断ったさ。最初はな。だが、彼女は何度も何度も誘ってきた。殺戮の道に。

　彼女は死に続けた。彼女が弱かったからか、それともわざとなのかは分からない。彼女を殺し続けるうちに、俺は次第に壊れていった。狂っていった。

　そして頷いてしまったのだ、あの誘いに。

　今では俺は立派なkiller(殺人鬼)だ。大切な兄弟も何度も何度も手に掛けた。最初は嘔吐する程の罪悪感があったが、今はただ血飛沫が心地いい。

　「……………どうしたのサンズ。何かいいことでもあった？」

　女がきょとんとした顔で俺を見る。俺は少し目を瞑ると、ニィッと口角を歪に上げた。

　「……次が楽しみだ」

　killerとkillerによって、世界は何度も殺される。