*あなたはケツイで満たされた。 [アンテ短編集] (ページ3)

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地底に二人[ifルートフラウィー視点] ページ3

「お願い……殺さないで」

　目の前の彼女に僕は希う。死にたくない、死にたくない、死にたくない！！

　まだ、まだ生きていたいんだ。二度も死にたくない。僕は、僕は____

　不意に、そっと暖かい手が触れた。幾多の命を奪った血まみれの手のひら。
　僕が彼女を見上げると、彼女は虚ろな笑みを湛えていた。……その、笑みは、まるで。

　「……キャラ……？」
　「……………ただいま、親友」

　空っぽに笑んで、死んだ筈の親友はそう言った。

　キャラ曰わく、「これは2周目のGルートで、自分はソウルレスとなったフリスクを乗っ取り自我を取り戻した」そうだ。何故だか2周もしたか、それは僕に会うため。

　キャラはずっと僕に会いたかったらしい。その為にはLOVEを上げ、尚且つフリスクの体を手に入れる必要があったのだ。晴れてLOVEと体を手に入れたキャラは、現在僕を植木鉢に入れてにこにこ笑っている。

　「……キャラ、これ楽しい？」
　「君といれば大抵は楽しめるよ」

　ソウルレスに楽しむもなにもないでしょ、そう突っ込むとキャラは笑う。これが僕らの空っぽな日常。

　この地底の世界には、もう僕とキャラしかいない。

　キャラはそれでいいという。僕さえいれば他もうどうでもいい、なんて。
　僕もそれは同じだ。キャラさえいれば、それでいい。

　二人、朽ち果てるように地底で生きていたい。

　「……………キャラ、大好き」
　「私もだよ、アズリエル」

　僕らはそう言って互いに笑い合った。