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この合宿の終り、つまりは今日の夜。
白寮黒寮の二、三年でライブをしあい、フォロワーを競い合う行事が毎年恒例である。
…私は参加するべきなのかと、小さくため息をついた。
朝練後、色々あって、仁さんの言いつけによりハエたたきで素振りをする新兎君、獅子丸君ペア。
さっきまで仁さんと何か話していたが、ちゃんと聞き取れないまま仁さん、ついでに千鶴は城に戻って行ってしまった。
皆が昼食を摂っているであろう今、いつものごとく食欲のない私はそれを断り、今にも倒れそうなくらい必至にハエたたきを振る二人の一年生を見つめている。
降り出した雨がかなり強い。去年の凛太朗を見習い、タオルをカバンに入れていて良かった。
終わったら二人にあげよう。
「ろっぴゃくごじゅうに…ろっぴゃくごじゅう…ろく…」
「新兎君、今数字飛ばしました？」
「うぐ…ッ！…A先輩って…結構俺のことちゃんと見てますね！俺のこと好きなんですか！」
びしょ濡れでゼエゼエと荒い呼吸をしながら悲痛な声を上げる新兎君。どうやら疲れから頭が回らなくなってきたみたいだな。
「クソッ、A！テメェ他人事だからって高みの見物かよ！！」
「はい！ふふ」
「てめぇ…ッ」
同じくびしょ濡れで、舌打ちをして恨めしそうに私を睨む獅子丸君。
私は流木に腰掛け、傘をくるくる回しながら微笑んだ。
うんうん、活きが良くていい。
…今年の特進生で唯一の一年だけペアの二人。
二人とも首席を狙ってるんだろうか。きっと、面白いライブをするんだろうな。
「まあまあ、二人とも頑張ってください。ほら、もう半分きりましたよ。仁さんの言いつけなんですから！」
二人を励ますつもりで大きな声を出した。
実は先輩面で話すのはちょっと気分がいい。
「クソアマが…」
「っ漢、新兎千里、A先輩の笑顔を糧にまだまだ頑張りまーす！」
まるで反対の反応をし、また必至にハエたたきを振る二人。
なんだかおかしくて笑っても、雨のせいで二人には届いていなかったようだ。
…自然界に混じって消る笑い声は、なんだかもったいない気がした。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
